「養鶏危機突破」で緊急集会 鶏卵生産者安定対策事業の見直しと法制化目指す JEPA

(一社)日本鶏卵生産者協会(JEPA)は5月17日、東京・港区のアジュール竹芝で『養鶏危機突破・有志鶏卵生産者緊急集会』を開き、4月から価格差補てん事業、5月には成鶏更新・空舎延長事業も発動されるなど、異常な低卵価が続いていることから、「鶏卵生産者の経営安定化を目指す法制化と、鶏卵生産者経営安定対策事業の見直し」を求めていくことを確認。さらに、TPP(環太平洋経済連携協定)については、消費者と一体となって日本の伝統的食文化である「卵の生食」を引き続き守る運動を進めるとともに、輸入卵対策も検討していくことにした。

緊急集会では、緒方忠浩会長代表が「会員の皆さんの結集によって、鶏卵生産者経営安定対策事業を実現させたが、事業効果が極めて不十分であり、鶏卵の生産・流通の実態に即した事業の仕組みに切り替え、頼りになる制度に変えていかなければならない」などと集会開催の趣旨を説明した。
秋田善祺政策代表は、昨年末の政権交代後の自民党で、26人の国会議員による養鶏議員連盟(大島理森会長)が設立されたことについて、「有力な先生方は『鶏は豚並みに扱われるようにしなければならない』との共通認識を持っておられる」と報告するとともに、政治力も借りて、大中小のいずれの規模でも儲かり、次世代に託せる養鶏の実現を目指さなければならないとした。
当面の低卵価対策については、淘汰による需給の改善が急務とし、自らの経営でも約40万羽の早期淘汰を準備していることを明らかにした。そのうえで「養鶏経営の安定施策、TPPやアニマルウェルフェアなどの諸課題は、生産者が主体の『戦う、行動する養鶏団体』になって取り組まなければ解決しない」と強調した。
島田英幸専務理事は、最近の鶏卵需給や卵価の情勢を資料に基づいて説明し、鶏卵生産者経営安定対策事業の新たな3か年となる平成26年度での仕組みの見直しを要求していくとするとともに、緊急対策として成鶏更新・空舎延長事業を発動し、淘汰が促進されて需給が安定するように養鶏議員連盟に要望したことなどを報告。TPPについては、卵に生食用の賞味期限が付いているのは日本だけであり、「交渉の推移を見守るとともに、交渉過程ではISD条項が設けられることが十分に想定される。今後とも日本の伝統的食文化である卵の生食が守られるように、今から消費者と一体となった取り組みを準備しておかなければならない」とした。
参加者からは「成鶏更新事業に参加して奨励金が支払われるのは早くて3か月後。その間の運転資金の手当が心配」「成鶏更新への参加は、販売先への供給責任とその時の自らの荷余りの中で無理なく判断して取り組めばよい」「TPPへの参加は、政府の試算以上の脅威になる」などの意見が出された。
竹下正幸(社)日本養鶏協会会長は、昨年の卵価は20円下がって、鶏卵産業は500億円の損失となったとするとともに、「24年度の補正予算で牛や豚、酪農で予算が付いて、鶏がゼロとなったのは、これまで養鶏の経営安定制度などに法的裏付けがなかったことが大きな要因の一つである。今後とも皆さんと結束して養鶏産業を守り、生き残っていくために、結束してほしい」と呼びかけた。

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