アニマルウェルフェアなどで意見交換 OIE連絡協

農林水産省消費・安全局は12月7日、東京都千代田区の三番町共用会議室で平成23年度の「第1回国際獣疫事務局(OIE)連絡協議会」を開き、動物衛生などに関する国際基準であるOIEコード(狂犬病、牛疫の改正と、アニマルウェルフェアに配慮した家畜生産システムに関するガイド原則と肉用牛生産システムの新設)改正案などについて、消費者団体や産業界関係者と意見交換した。
アニマルウェルフェアに関するOIE基準を作ることで3次案が示されていたブロイラーの生産システムについては、去る5月のOIE総会で「各国でブロイラーの生産手法が異なっているため、合意に至らず、今後も専門委員会で継続して協議することになった」と報告された。
OIEでは、今回の肉用牛の基準に続き、乳牛、採卵鶏、豚の生産システムの各基準も、専門委員会で検討を進めるとのこと。
OIE基準は、各国の意見に基づいて合意形成するため、内容は文章表現が主となり、数値目標があまりないのが特徴。肉用牛の生産システムに関しても「数値目標のないこの程度では問題ないが、数値目標を入れるとコスト高になるため反対」とか、「数量化した指標が必要になる」などの意見のほか、消費者側からは「消費者に内容をもっと啓蒙してほしい」との要望が出された。
また、OIE総会での議論を受けて示された10項目の畜産生産におけるアニマルウェルフェアの原則については、竹内正博委員((株)イシイ社長)などから「遺伝的選択により、動物の健康とウェルフェアを向上すべきである。遺伝的に環境に適した動物品種を導入すべきである――の第1項目は、例えば体重が急激に増加しない方向で遺伝的選択(育種改良)が行なわれるかもしれない」など、育種改良面に影響するのでないか、との見方が示された。

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