5月中の仮払い目指す 東電 福島原発の損害賠償

農林水産省は5月18日、「東京電力福島原子力発電所事故に係る連絡会議」の3回目の会合を開き、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉の6県と千葉県旭市、農林水産業や食品産業の121団体の代表者らが出席して、福島原発事故による損害賠償について意見交換した。
会議では、5月12日の原子力発電所事故経済対応チーム関係閣僚会合で決定した「原子力災害被害者に対する緊急支援措置」、16日の原子力損害賠償紛争審査会で議論された第2次指針策定に向けた論点、12日に内閣総理大臣から福島県知事に指示された警戒区域内における家畜の安楽死処分の内容について、農林水産省の担当者が説明。農林漁業分野で損害賠償の仮払い対象となるのは、(1)政府による避難などの指示により農林漁業者が被った営業損害(殺処分または死亡した家畜の財産価値の喪失と処分費用を含む)(2)政府による航行危険区域設定により漁業者が被った営業損害(3)政府などによる出荷制限指示などにより農林漁業者が被った営業損害――とした。
緊急支援措置の決定を受けて、東京電力は5月末ごろまでに仮払いの開始を目指すとしている。廣瀬直己常務は「現況を踏まえて見直した原発事故の収束に向けた工程表では、全体のスケジュールに変更はないが、農林漁業者の皆様が1日も早く元通りの仕事ができ、避難された皆様が元通りの生活を送れるよう、努力していきたい。
損害賠償については、皆様のご協力をいただきながら話し合いを進めており、できれば5月中に仮払いをスタートしたいと考えている。農協や漁協のほか、各業種の組合との話し合いもすでに始まっている。今後は各県や各市町村のご協力もいただきながら、被災者の皆様に少しでも早く仮払いができるよう、最大限の努力をしていきたい」などと、仮払金の支払い方針を説明した。
出席者からは「損害賠償の取りまとめについて、農協に出荷する農家の場合は比較的スムーズに進んでいるが、農協以外に出荷する農家については滞りがちだと感じている。賠償請求額が増えることによって電気料金が上がるのではないかと心配して、損害賠償の請求をためらう農家もいるため、きちんと請求することが経済復興のスタートラインになることを、政府には強くアピールしてほしい」などの意見が出された。

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