採卵用は前年を下回る見通し 15年のひなえ付け

農林水産省統計情報部は10月27日、9月分の鶏ひなふ化羽数統計を公表した。9月までの実績と、10~12月の見通しを基にした平成15年のひなえ付け羽数は、採卵用は5年ぶりに前年を下回り、ブロイラー用は3年連続で上回る見込み。

9月分の鶏ひなふ化羽数統計によると、全国のふ化羽数は採卵用めすが1,053万9千羽で前年同月比107.6%、ブロイラー用が5,590万7千羽で同102.6%。このうち出荷されたひな(え付け羽数も同じ)は、採卵用めすが992万羽で前年同月比106.6%、ブロイラー用が5,451万1千羽で同102.7%になった。
種鶏の出荷羽数は、採卵用が11万9千羽で同201.7%、ブロイラー用が35万5千羽で同99.4%。
ひなえ付け羽数の1~9月累計は、採卵用めすが8,428万4千羽で前年同期比100.2%、ブロイラー用が4億6,518万4千羽で同101.5%になっている。
10月上旬に聞き取った向こう3か月のひな出荷見通しは、前年同月に比べ採卵用めすが10月100%、11月91%、12月93%。ブロイラー用は10月97%、11月99%、12月98%の見込みになっている。
これを基に、15年のえ付け羽数を推計すると、採卵用めすが1億1,024万1千羽で前年比98.9%、ブロイラー用が6億2,722万6千羽で同100.6%になる。
採卵用めすのひなえ付けは、卵価の下落が予想以上に大きく、特に今年後半からえ付けが抑制されたため、6年ぶりに前年を下回る見込みになった。
一方、ブロイラー用のひなえ付けは、BSEの発生による鶏肉への代替需要や、偽装表示による国産志向の高まりで、この2年間は国産物が増産された。しかし、今年に入って相場が大幅に下落し、え付けにもブレーキがかかったものの、前年水準を維持する見込み。

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