平成14年のひなえ付け、前年を上回る見通し
農林水産省統計情報部は10月29日、9月分の鶏ひなふ化羽数統計を公表した。9月までの実績と、10~12月の見通しを基にした平成14年のひなえ付け羽数は、採卵用、ブロイラーともに前年を上回る見込み。採卵用は4年連続、ブロイラー用は2年連続の増加となる。
農林水産省統計情報部が10月29日に発表した9月分の鶏ひなふ化羽数統計によると、全国のふ化羽数は採卵用めすが978万羽で前年同月比98.6%、ブロイラー用が5,447万8千羽で同105.6%。このうち出荷されたひな(え付け羽数も同じ)は、採卵用めすが928万8千羽で前年同月比98.9%、ブロイラー用が5,307万8千羽で同106.1%となった。種鶏の出荷羽数は、採卵用が5万9千羽で同76.6%、ブロイラー用が35万7千羽で同93.9%。
え付け羽数の1~9月累計は、採卵用めすが8,410万2千羽で前年同期比99.9%、ブロイラー用が4億5,822万8千羽で同102.6%となっている。
10月上旬に聞き取った向こう3か月のひな出荷見通しは、前年同月に比べ採卵用めすが10月103%、11月97%、12月104%。ブロイラー用は10月100%、11月102%、12月98%の見込みとなっている。
これを基に、14年のえ付け羽数を推計すると、採卵用めすが1億1,108万2千羽で前年比100.2%、ブロイラー用が6億1,854万1千羽で同101.9%となる。
採卵用めすのひなえ付けが前年並みの微増にとどまったのは、昨年の段階で14年の卵価下落が予想され、実際に3月末まで卵価が前年同月を下回ったことから、え付けが抑制されたため。
一方、ブロイラー用ひなが増加したのは、昨年のBSE発生によって鶏肉への代替需要が起こったことに加え、偽装表示問題が国産志向を強め、国産物が増産されたため。BSEによる代替需要は、牛肉消費の回復とともにほぼ終わったといわれるが、国産志向の強い需要については、年内はすべて対応できないのではないかとも言われる中で、国内の増産体制がどこまで続くのか注目されている。