13年の食中毒 発生件数、患者数とも減少 卵およびその加工品も
厚生労働省がまとめた13年の食中毒発生速報によると、件数は1,924件(前年比85.6%)、患者数は25,732人(同59.4%)で、ともに過去5年間で最も少なかった。死亡者は前年と同じ4人で、いずれも家庭でのフグやきのこの自然毒が原因だった。500人以上の患者を出した食中毒も静岡の1件(11月、原因施設は仕出屋、病因物質は小型球形ウイルス)だけであった。
県別で、発生件数の多かったのは(1)広島県(770件)(2)大阪府(79件)(3)東京都(76件)の順。患者数は(1)神奈川県(1,881人)(2)愛知県(1,555人)(3)広島県(1,530人)の順。発生件数、患者数とも7、8、9、10、11月が比較的多いが、ピークの山は低くなる傾向がある。
食中毒の病因物質別では、事件数では95.4%が判明し、1位がカンピロバクター・ジェジュニ/コリの428件(前年469件)、2位がサルモネラ属菌の360件(同518件)、3位が腸炎ビブリオの308件(同422件)。患者数では91.3%が判明しているが、病因物質不明が最も多く2,234人となっている。判明したものでは1位が小型球形ウイルスの7,335人(同8,080人)、2位がサルモネラ属菌の4,912人(同6,949人)、3位が腸炎ビブリオの3,065人(同3,620人)。サルモネラ属菌は事件数、患者数とも減少を続けている。
原因食品別では、不明が最も多いが、発生件数の43.1%に当たる829件、患者数では82.7%の21,291人が判明している。このうち「肉類およびその加工品」は発生件数55件、患者数1,039人(前年45件、761人)と増加しているが、「卵類およびその加工品」は34件、441人(同42件、1,043人)で、いずれも減少している(速報値では、病因物質と原因食品との関係などは不明)。
原因施設でも不明が最も多いが、判明したものでは件数の1位が飲食店の470件(前年497件)、2位が家庭の205件(同311件)、3位が旅館の108件(同105件)。患者数の1位が飲食店の9,792人(同13,448人)、2位が旅館の3,918人(同3,406人)、3位が仕出屋の3,803人(同4,389人)となっている。