世界の飼料生産量は11億300万トン オルテック世界飼料調査

過去5年で14.6%増加

オルテック社(マーク・ライオンズ社長兼CEO)は1月30日、「オルテック世界飼料調査2019」の結果を公表した。2018年の世界の飼料生産量は前年比3%増の11億300万トンで、3年連続で10億㌧を超えた。

8回目の今回は144か国、約3万か所の飼料工場を対象に調査。過去5年間に14.6%、年平均2.76%も飼料業界の規模が拡大しており、人口とミドルクラスの増加により、たんぱく質の消費量が増加したことを反映している。

飼料生産量の上位8か国は中国、アメリカ、ブラジル、ロシア、インド、メキシコ、スペイン、トルコ。この8か国に世界の飼料工場の59%が存在し、55%の飼料を生産している。特に成長に寄与したのは採卵鶏、ブロイラー、酪農。

地域別調査結果

▽アジア太平洋地域=中国、インド、日本と、上位10か国圏内に入る3か国で世界の36%以上の飼料を生産している。中国はアメリカより1000万トン以上多い1億8789万トンを生産し、世界最大の飼料生産国の立場を維持している。同地域の飼料生産量の増加は、インドが主に酪農・採卵鶏・ブロイラー向けに増やし、13%も成長したため。このほか、比較的大きく成長したのはパキスタン、ミャンマー、ラオス。東南アジア地域の飼料生産量はアジア太平洋地域全体の20%以上を占め、インドネシア、ベトナム、フィリピン、タイの4か国が東南アジア地域の93%を生産している。

▽ヨーロッパ=前年に比べ4%成長し、今回の調査では2番目に成長の著しい地域であった。この伸びは飼料生産量が採卵用で7%、ブロイラー用で5%、水産養殖用で5%、酪農用で4%、豚用で3%増加したため。唯一、肉牛用の飼料生産量が1%以下ではあるが減少した。

▽北米=主要畜種が増えたことにより、肉牛用とブロイラー用の飼料生産量がそれぞれ3%増加し、全体では前年比2%の安定した成長をみせた。アメリカは中国に次いで世界第2位の飼料生産国の立場を維持している。

▽南米=今回の調査では比較的、飼料生産量が停滞気味であった。ブラジルは今回も地域をけん引する最大の飼料生産国で、世界全体でも3番目に位置している。ブラジル、メキシコ、アルゼンチンが南米の飼料のほとんどを生産している状況が続いており、合計で地域全体の76%を占める。

▽アフリカ=地域全体で飼料生産量を5%増やし、引き続き成長は力強い。前年を割り込む国もなかった。モロッコは酪農用、肉牛用、採卵用、ブロイラー用、七面鳥用のすべての飼料生産量が大きく増加した。

畜種別のポイント

家きん業界では、採卵用の飼料生産量を特に伸ばしたのはヨーロッパ、南米、アジア太平洋地域。ヨーロッパでは、ポーランドとウズベキスタンがそれぞれ20万トンずつ伸びた。南米ではコロンビア、ペルー、ブラジル、メキシコで増加した。アジア太平洋地域では韓国、インド、インドネシアが数百㌧ずつ増えた。北米ではカナダ、アメリカとも増加し、全体で2%伸びた。アフリカではエジプトとセイシェルで採卵鶏の飼育羽数が減少し、全体でもわずかに減少している。

18年の世界のブロイラー生産量は約3%増えた。ごくわずかに減少した南米を除き、すべての地域で増加した。アフリカは9%の増加を記録したが、これは人口が増加し、生活が豊かになっていることや、動物性たんぱく質、特に鶏肉への興味が高まっていることを意味している。

18年の養豚用の飼料生産量は世界で約1%増加した。養豚用飼料の主要生産地域はアジア太平洋地域であるが、唯一前年を割り込んだ。ヨーロッパは約220万㌧という最大の飼料生産量の増加を記録した。

酪農用の飼料生産量は北米、ヨーロッパ、アフリカで増加し、南米は横ばいであった。一大酪農地域であるヨーロッパは平均で約4%伸びた。

北米は肉牛用の飼料生産をけん引してきたが、今回も同じ結果で前年比3%増加した。ヨーロッパは約1%の減少で次点の立場を保っている。南米では、主にメキシコとアルゼンチンの増加により8%も伸びた結果、肉牛用の飼料生産で3位となった。アジア太平洋地域では、中国とオーストラリアの両国で伸びたが、他の国で減少があり相殺する結果となった。

水産養殖用飼料は前年に比べ4%増加した。主にアジア太平洋地域とヨーロッパでの強力な成長に起因する。

ペットフードの生産量は1%ほど増加したが、主にアジア太平洋地域での増加が寄与しており、南米とアフリカの減少分を補っている。北米と中東はいずれも比較的横ばい。