おやどりサミット初開催 集まったレシピを販促に生かす

成鶏処理流通協・青年部が企画

親どり料理を食卓へ――。日本成鶏処理流通協議会の青年部は3月8日、各部員が考案したメニューを試食して意見交換し、消費拡大へのヒントを探る『おやどりサミット』(会場=厨BO!東京ガス業務用ショールーム〈東京都港区〉)を初めて開いた。当日は親どり料理30種類の中から、フードコンサルタントの池田恵里氏(エリカカンパニー代表)が選定した10種類を披露した。

冒頭、同会の松尾邦光会長(印南養鶏農協組合長)が来賓や関係者の出席と、青年部員の意欲的な活動に感謝した上で「サミットには頂点という意味があり、予選を勝ち抜いた料理には期待がかかる。現在は主に加工品に使われる親どり肉だが、45年ほど前は鶏肉といえば『かしわ』であり、つまり、我々が毎日大事に作っている親どり肉の〝先輩〟に当たる在来鶏であった。いまの親どり肉もポテンシャル(潜在能力)は非常に高いため、今後は各家庭の食卓に親どり料理がのるようにしたい。我々の業界は新たな活動に入るが、本日はそのスタートという意味でも、記念すべき日だと思っている」と述べて開会した。

続いて農水省生産局食肉鶏卵課の望月健司課長、伊藤寿課長補佐、食肉需給対策室の冨澤宗高室長、(一社)日本養鶏協会の小田上浩史業務第1部長らがあいさつ。この中で望月課長は、鶏卵相場が初市から徐々に上昇した背景には同会会員らによる『成鶏更新・空舎延長事業』での適正な対応があったと称えた。小田上部長は「本日の取り組みが市場拡大につながればと期待している。来年度のJRA事業では親どり肉の消費拡大対策を要望しており、今月末には公募結果が公表されるかと思う。事業実施に当たっては皆様方のご協力をお願いしたい」などと呼びかけた。

同会青年部の栗原博文部長(㈱クリチク社長)はイベント監修者の池田氏について「鶏卵業界の講演会で池田先生の商品提案やマーケット関連の話を聞き、非常に的確なことを話されていると感じた。そこで『ぜひ我々も消費者に向けて親どり肉をアピールしたい』と相談したところ快諾をいただき、この日を迎えることができた」と紹介。サミットの狙いについては「鶏卵・鶏肉ともに需要は少しずつ伸びてはいるが、生産過剰によって相場が安定せず余剰感がある。これは我々の業界も同じではないか。このような状況にあって、青年部としては、これまでやらなかったことをやらなければ『業界の未来はない』と考えた。卵や若どりの業界のように、集まったレシピを親どり肉の販促に生かしていきたい」とした。

親どり肉の良さ生かした料理10品

親とり肉の調理ポイントを説明する池田恵里代表

食品メーカーや飲食店などの商品開発に携わってきた池田氏は、親どり肉を改めて調理・試食した印象を「まずは肉のうま味に驚いた」と高く評価。各家庭での調理傾向の変化にも触れ、単身世帯を中心にやかんのないキッチンが増えたとし「お湯を沸かすときもレンジアップの人が多くなっている。これからは電子レンジでの調理も基準にしなければならない」と助言した。

今回の料理選考では、昨今の消費者の傾向から①インスタ映え(写真映え)②ヘルシーさ③時短料理であるか④その他(味付けの工夫など)――を踏まえて判断したとのこと。選出レシピと考案企業は次の通り(順不同)。

▼親鶏の巻き寿司(六ツ美養鶏加工協同組合)

▼親ムネ肉のチリマヨソース簡単(㈲力食鳥)

▼親鶏坦々うどん(南薩食鳥㈱)

▼炊飯器でつくる鶏むね肉の佃煮(静岡成鶏加工協同組合)

▼炊飯器と電子レンジで カンタン!オムライス(㈱クリチク)

▼親鶏のアヒージョ(㈱福吉食品)

▼味噌バター親ももバーグ(㈱高井産業)

▼親鳥使用のよだれ鶏~ピリ辛中華風~(㈱ヤマショウフーズ)

▼親鳥ももとイカの塩辛バター炒め(㈱三和食鶏)

▼親鶏のジャンバラヤ風(㈱丸本/オンダン農協)

試食前には池田氏が各メニューの特徴を解説。力食鳥の荒川大祐社長や、オンダン農協の山中文吾次長らも開発企業を代表して料理のコンセプトや、調理・盛り付け時のポイントなどを説明した。

消費者から選ばれる親どり肉に

各氏の発表後は料理を味わいながら良い点と改善点を話し合い、気になる料理については何度も試食。味付けの工夫や、調理後の歯ごたえの良さ・柔らかさなどを確認する姿が目立った。

参加者からは「自分たちが好む料理ではなく、一般消費者から選ばれるものはどれかと考えた」「肉の弾力感を隠すのではなく、ほど良く残して武器にするべき」「親どりは冷めると固くなりがちだが、そうならないよう工夫されている料理もあった」「商品化して外食店に提案したいメニューがある」「淘汰事業もあって肉の生産量が急増している。消費拡大につながるメニュー開発は急務」などの意見が聞かれ、各自が参考になったと思う料理や、親どり肉の認知度向上のために必要なことなどをアンケートに記入し提出した。池田氏による自作メニュー『鶏ももとキンピラのはちみつ甘みたれ』『親どりレンコンすり流し』『キンカンのプルーン煮』の調理実演も行なわれた。

栗原部長が閉会あいさつで「本日のような取り組みをコツコツと行なうことで、親どり肉の価値が上がっていくのではないか。本日は社員の皆様にも多く出席していただいたが、当会青年部の本来の目的は『一緒に成長しよう』というものである。今回のおやどりサミットを機に、経営者だけでなく、より多くの社員の方々にも青年部の活動に参加していただき、一緒に成長していければと思っている」と述べ、初開催のイベントを終えた。