8月は中食(総菜)需要の伸び目立つ
スーパーの焼き鳥や揚げ物に五輪需要
(一社)全国スーパーマーケット協会など食品スーパー3団体(270社・8264店)の8月総売上高は前年同月比2.4%減(既存店ベース)の1兆532億4097万円で、コロナ禍前(前々年同月)との比較では3.7%増となった。
来客数で外出自粛と長雨の影響を受けたが、東京五輪の自宅観戦需要もあり、総菜は前年同月比2.3%増(前々年同月比2.7%増)の1120億6468万円。
畜産品は0.7%減(同8.5%増)の1248億915万円。卵を含む日配品は1.3%減(同5.8%増)の2097億5275万円。
3団体は鶏肉や卵関連の販売状況について「保存しやすい畜産品への需要が再び拡大傾向にある。鶏肉は前年並みに回復した店舗が多く、自宅での観戦需要もあり焼き鳥は引き続き堅調。おつまみ類や揚げ物も好調に推移した。ただ帰省や催事の中止でお盆のオードブル販売は不振。(トングなどを使った)総菜のばら売り販売自粛が緩和されてきたとの声もある。相場高が続く鶏卵にも回復傾向がみられた」と報告している。
生協店舗の総菜好調
日本生協連の全国65主要地域生協の8月総供給高(売上高)は前年同月比1.2%減(前々年同月比14.3%増)の2457億7600万円となった。
このうち宅配は0.8%減(前々年同月比21.1%増)の1580億9300万円。店舗販売は2.4%減(同4.3%増)の829億8300万円。店舗では総菜販売、宅配では冷凍食品と菓子が好調に推移した。
大手チェーンは畜産と総菜販売額が増加
日本チェーンストア協会は、8月の大手チェーンストア総販売額(会員56社・1万1850店)について前年同月比0.1%減(既存店ベース)の1兆1255億1811万円と発表した。
食料品は2.4%増の8032億4611万円で、うち畜産品は2.3%増の924億1360万円。鶏肉など食肉の動きが良く、鶏卵の動きはまずまず。総菜は8.6%増の1063億2501万円で、焼き鳥や揚げ物、中華が好調。冷たい総菜や寿司の動きも良かった。
コンビニ売上1.9%減
コンビニ7社(5万5940店)で組織する(一社)日本フランチャイズチェーン協会は、8月の売上高(既存店ベース)が前年同月比1.9%減の8972億1200万円になったと報告した。来客数は6.5%減で、同会では「緊急事態宣言等の拡大と期間延長、全国的な雨の多さなどが影響した」としている。
外食は五輪需要なく
(一社)日本フードサービス協会の8月外食市場調査(全店ベース/3万7603店)によると、全体の売上高は前年同月比8.6%減で、前々年同月比では24.4%減となった。
同会は8月の全体概況を「8月は新型コロナ拡大で営業規模がさらに縮小」「お盆需要もなく大雨の影響が追い打ち」「洋風ファストフードの堅調さとは対照的に酒類を提供できない居酒屋・パブ業態は深刻な状況」などと報告。外食向けの卸にとっても非常に厳しい状況が続いている。
業態別では洋風ファストフードの売上高が前年同月比6.0%増(前々年同月比14.9%増)、同和風0.1%減(同8.2%減)、持ち帰り米飯/回転ずし1.1%増(同9.3%減)、居酒屋67.0%減(同88.1%減)、パブ・ビアホール73.6%減(同90.7%減)、ファミリーレストラン20.6%減(同40.8%減)、ディナーレストラン24.5%減(同49.8%減)。