コスト高でも相場の上昇で養鶏所得向上 平成25年の営農類型別経営統計

農林水産省が2月13日に公表した平成25年の営農類型別経営統計によると、25年は配合飼料価格の高止まりなどで農業経営費が上昇したものの、鶏卵・鶏肉相場が高水準で推移して農業粗収益が増加したため、農業所得は採卵養鶏、ブロイラー養鶏とも前年を上回った。経営統計を基に本紙が試算した鶏卵1キログラム当たりの生産コストは前年比7.2%高の196円64銭、ブロイラー生体1キログラム当たりの生産コストは5.0%高の162円01銭となった。平成25年の採卵養鶏とブロイラー養鶏の経営概要は次の通り。

採卵養鶏

50戸の月平均飼養羽数は1万3721羽で、前年に比べ1.9%減少した。
畜産収入全体の平均は10.5%増の4408万8000円。このうち鶏卵の収入(成鶏を含む)は10.4%増の4372万2000円であった。
経営費の合計は3.0%増の4324万5000円。このうち飼料費が68.5%(前年65.7%)、動物費(ひな代、若めす代を含む)が7.6%(前年8.0%)となり、この2費目で全体の76.1%(前年73.7%)を占めている。
▽生産コストの概要
経営費(4324万5000円)を月平均飼養羽数(1万3721羽)で割った1羽当たりの生産コストは前年比5.0%増の3152円(前年3002円)。鶏卵生産量(219トン919キログラム)で割った鶏卵1キログラム当たりの生産コストは196円64銭(前年183円51銭)で、7.2%上昇した。
規模別の鶏卵1キログラム当たりの生産コストは、1万羽未満は211円25銭(前年192円36銭)、1万羽以上3万羽未満が209円68銭(前年171円49銭)、3万羽以上が182円32銭(前年185円14銭)となった。

ブロイラー養鶏

49戸の年間平均販売羽数は21万3304羽で、前年に比べ1.4%増加した。
畜産収入の平均は5.6%増の1億311万8000円。このうちブロイラーの収入は5.6%増の1億311万7000円であった。
経営費の合計(平均)は6.5%増の9987万2000円。このうち飼料費が65.8%(前年64.5%)、動物費(ひな代)が15.4%(前年15.6%)となり、この2費目で全体の81.2%(前年80.1%)を占めている。
▽生産コストの概要
経営費(9987万2000円)を年間平均販売羽数(21万3304羽)で割った1羽当たりの生産コストは468円21銭(前年445円80銭)で、前年に比べ5.0%上昇した。
これを25年の1羽当たりの平均生体重(農水省統計=2.91キログラム)で割った生体1キログラム当たりの生産コストは162円01銭(前年154円25銭)で、5.0%上昇した。
規模別の生体1キログラム当たりの生産コストは、年間平均販売羽数10万羽未満が208円29銭(前年213円65銭)、10万羽以上20万羽未満が166円68銭(前年172円95銭)、20万羽以上が157円55銭(前年142円15銭)となった。

平成15年以降の1キログラム当たりの平均生産コストは次の通り(円未満は四捨五入)。
〈鶏卵〉
平成15年144円
平成16年149円
平成17年156円
平成18年152円
平成19年163円
平成20年181円
平成21年173円
平成22年172円
平成23年180円
平成24年184円
平成25年197円
〈ブロイラー〉
平成15年150円
平成16年150円
平成17年156円
平成18年152円
平成19年161円
平成20年181円
平成21年165円
平成22年163円
平成23年160円
平成24年154円
平成25年162円

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