食の安全・安心確保に252億円　厚生労働省の令和4年度予算概算要求

厚生労働省は令和4年度予算の概算要求を財務省に提出した。一般会計の要求額は33兆9450億円で、令和3年度当初予算から8070億円増えた。新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえた柔軟で強靭な保健・医療・介護の構築や、ポストコロナに向けた「成長と雇用の好循環の実現」に関する予算なども要求している。

『食の安全・安心の確保など』は252億円（前年度242億円）。

このうち「残留農薬・食品用容器包装等の規格基準策定等の推進」（一部推進枠）は20億円（同18億円）。

「HACCPの制度化などによる的確な監視・指導対策の推進等」（一部推進枠）は4億円（同4億1000万円）。食品衛生法の改正で令和3年6月に完全施行されたHACCPに沿った衛生管理について、食品等事業者で円滑に実施されているかなど、対応状況の実態や導入効果を把握・検証し、HACCP実施のための手引書の見直しや自治体による指導方法の改善などにつなげる。

「農林水産物・食品の輸出拡大に向けた対応の強化」（一部推進枠）は2億円（同1億8000万円）。農林水産物および食品の輸出の促進に関する法律に基づき、輸出施設の認定加速化、証明書発行の迅速化などに取り組む。

「検疫所における水際対策等の推進」は、①検疫所における検査体制等の機能強化等（一部推進枠）②輸入食品の適切な監視指導を徹底するための体制強化（一部推進枠）――で213億円（同207億円）。

「食品安全に関するリスクコミュニケーションの実施等」は、①食品に関する情報提供や意見交換（リスクコミュニケーション）の推進②食品の安全の確保に資する研究の推進（一部推進枠）③カネミ油症患者に対する健康実態調査等の実施――で15億円（同14億円）。

『生活衛生関係営業の活性化や振興など』（一部新規、一部推進枠）は50億円（同49億円）。生活衛生関係営業の振興・発展を図るための組織基盤や相談支援体制を確保するとともに、生活衛生関係営業者が新型コロナウイルス感染症の影響で悪化した業績を回復するために支援する。