銘柄鶏の規格を見直し 認証、鶏種、飼養方式で区分 日本食鳥協会

(一社)日本食鳥協会(佐藤実会長)は、平成28年度から実施した「地鶏銘柄鶏緊急対策事業」の中で、銘柄鶏の規格の見直しを行ない、このほど検討結果をまとめた。

地鶏肉については、JAS法に基づきJAS規格を定めて、その定義を明確にしているが、銘柄鶏については、同協会が「わが国で飼育し、地鶏に比べ増体に優れた肉用種といわれるもので、通常の飼育方法(飼料内容、出荷日齢など)と異なり工夫を加えたもの」と定義しているものの、その範囲があいまいであった。さらに近年はブロイラーに産地名などをつけて販売する商品も多くみられ、消費者の混乱に拍車をかけているため、銘柄鶏の自主的表示の目安となる明確な規格を設定した。

新たな銘柄鶏の規格は自主的表示のガイドラインとして設定し、JAS法上で規格を定めている地鶏は除外する。銘柄鶏を①認証②鶏種③飼養方式――の類型に区分し、類型ごとに当てはまるタイプを選択して、その項目に沿った内容を任意で表示する。類型とタイプ、表示内容は次の通り。

【認証】農場HACCPやJGAPなど、第3者認証の取得農場で生産したもの。具体的な第3者認証名を表示する。

【鶏種】①在来種タイプ=在来種(明治時代までに日本に導入されて定着し、地鶏肉JASで定義した鶏種38種類)を使用したもの。在来種の血液の割合(血液百分率)を表示する。鶏種名の表示も可能②国産鶏種タイプ=国内の育種改良機関(家畜改良センター、県畜産試験場、民間ブリーダーなど)が育種改良した種鶏から作出したもの。鶏種名の表示も可能③特殊鶏タイプ=通常のブロイラー(ホワイトコーニッシュとホワイトプリマスロックの交配種)以外の海外から導入した鶏種を使用したもの。鶏種名と、その血液の割合(血液百分率)を表示する。

【飼養方式】①長期飼育タイプ=通常のブロイラー(50日程度)に比べて長期間(55日以上)飼育したもの。出荷日齢を表示する②放し飼いタイプ=全飼育期間の2分の1以上を放し飼いで飼育したもの③特別飼育タイプ=感染症予防ワクチンを投与し、全飼育期間にわたり抗生物質・抗菌製剤を投与せずに飼育したもの④特殊飼料使用タイプ=一般的な配合飼料と異なる原料を使用した飼料で飼育したもの。飼料用米や地養素、ハーブ、木酢液、ビタミン強化など、具体的な特殊飼料の種類と使用時期、使用割合を表示する。