米国産の単収・生産量などさらに下方修正 米農務省穀物予測

シカゴ相場は急伸、トウモロコシ5ドル超に

米国農務省は1月12日、農産物需給予測月報(WASDE)を公表した。2020/21穀物年度産(新穀)の米国産トウモロコシは、単収を前月予想より3.8ブッシェル、生産量を3億2500万ブッシェル、飼料向け需要量を5000万ブッシェル、エタノール向けを1億ブッシェル、輸出量を1億ブッシェルそれぞれ下方修正。

この結果、予想生産量は141億8200万ブッシェル(約3億6025万トン)、期末在庫は15億5200万ブッシェル(約3942万トン)、期末在庫率は10.6%まで減少した。平均農家販売価格は前月予想からさらに20セント引き上げ4ドル20セントとした。

これを受け、シカゴ相場(期近物)は5ドル30㌣超に急伸。その後反落したが1月26日現在では5ドル32セント前後で推移している。世界的な金余りの中、中国の輸入増など買い要因が集まる穀物市場にファンドマネーが流入していることも一因とみられる。5.3ドル超えは、一時8ドル前後となった2010~13年や「平成の畜産危機」と言われた08年以来。

大豆も単収を前月予想より0.5ブッシェル、生産量を3500万ブッシェルそれぞれ下方修正し、輸出量を3000万ブッシェル上方修正。期末在庫は3500万ブッシェル下方修正し、期末在庫率は前年より10ポイント以上少ない3.1%まで減少した。平均農家販売価格は前月予想からさらに60セント引き上げ11.15セントとした。1ショートトン当たり米国産大豆ミール価格も20ドル引き上げ390ドルとなった。

シカゴ相場(同)はWASDEEの公表後、特に期末在庫率の低さに反応して急伸し、1月26日現在は13ドル70セント前後で推移している。