米国卵価ピーク1.4ドル前後に 年間相場も1.4ドル程度か

米国卵価の指標とされる「アーナーバリー相場」を出している米国アーナーバリー社のレポートによると、今年の感謝祭(毎年11月の第4木曜日、今年は11月22日)前のアーナーバリー相場(中西部、ラージサイズ1ダース当たり)は、過去10年間の平均を13セント程度下回る1ドル37セントとなった。

米国の卵価は毎年、11月の感謝祭近くに年間のピークを迎えることが多い。基準として「感謝祭の1週間前の木曜日」のアーナーバリー中西部ラージサイズがよく使われる。

同日の史上最高値は鳥インフルエンザ(AI)発生で鶏卵需給がひっ迫した2015年の2ドル30セント強、史上最安値は予想を上回る早さで生産が回復し需給失調に陥った翌16年の60セント強。17年は1ドル70セント強。過去10年間の平均は1ドル50セント。

今年は年初に、多くのスーパーがパック卵をロスリーダー(集客のための目玉商品)として集める動きが強まったほか、粉卵の在庫が昨年から半減したことなどから、イースターが近づいた3月ごろには一時3ドル近い水準まで高騰したが、その後は下落した。

10月は採卵鶏飼養羽数は史上最高の3億2500万羽、11月初めの殻付卵在庫数量も過去最大となり、上値が抑えられている。1ドル37セントの卵価水準は、10月末との比較では21.2%高となっている。

同レポートによると、直近はスーパーの価格競争も、1パック1ドル以下の特売合戦の嵐が全米の店舗で吹き荒れた昨年に比べると、地域的にとどまり、スーパー各社からの引き合いも思ったより少ない。昨年は欧州のフィプロニル問題で米国産鶏卵の輸出需要が高まったが、今年はドル高もあって元に戻っている。ただ、同国の業界関係者は今年の卵価について、これら多くの弱材料があった割には、まずまず上昇したとみているとのこと。

米国農務省(USDA)が11月15日に発表したレポートによると、今年第4四半期(9~12月)のニューヨーク相場(ラージA1ダース当たり)は1ドル38セントから42セント、年間平均は1ドル41セント程度になると予想している。