新刊紹介 たいせつなたまご キッチンミノル著、白泉社が発刊
絵本作家で写真家のキッチンミノルさんが、あたたかい目線で養鶏場の一日を捉えている。作者は栃木県真岡市の平飼い農場『ハコニワ・ファーム』に泊まり込み、そこでの鶏の様子と、働く人たちの姿をレンズに収めた。
「ひがしのそらに、たいようがのぼるころ。きょうもハコニワ・ファームのいちにちがはじまります」。そこからページをめくると、鶏の健康チェックから、エサや水の給与、鶏ふん清掃などの日常が続く。鶏たちが小部屋(ネスト)に集まって、1日に1個だけ『たいせつなたまご』を生む瞬間も鮮明だ。
だがそこで終わりではない。卵を集めて、他では見ないような機械の力も借りながら、洗って、パックに入れて、割れないように安全運転で出荷する。お店や食卓に卵が並び「いただきまーす!」の声が聞こえる。
この当たり前と感じられている過程で、どんな人たちが、どう働いているのか。ハコニワ・ファームの仕事を通じ、子どもたちが『養鶏』を知るきっかけにもなる一冊。
㈱白泉社発刊、24ページ、税込み1320円。注文は全国の書店またはネット書店などへ。