恵方巻きの食品ロス削減プロジェクトに43社 予約を中心に

各社は2月3日の節分に合わせ、卵や肉、海鮮を巻いた商品を予約販売した(写真は「はま寿司」の恵方巻き)

多くの外食・小売り企業が、2月3日の節分に食べる「恵方巻き」の商戦に参戦する中、農林水産省は1月17日、需要に見合った季節商品の販売を食品小売業者に呼びかける一環として、今年の恵方巻きシーズンのロス削減プロジェクトに参加する食品小売業者26社を公表した。

同省は昨年1月に事務連絡「恵方巻きのシーズンを控えた食品の廃棄を削減するための対応について」を発出し、回答者の9割から、予約販売の実施や当日のオペレーションの工夫などで、廃棄率が前年より減ったとの回答を得た。プロジェクトへの参加企業は徐々に増加しており、1月31日現在の恵方巻きロス削減プロジェクトに参加の43社の名称が同省ホームページ(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/attach/pdf/index-50.pdf)に掲載されている。

本紙調べの大手チェーン各社の恵方巻きの取り組みは次の通り。

恵方巻きは予約販売中心 ファミリーマート

ファミリーマート(国内1万6556店舗、昨年末現在)は、『恵方巻』(税込み450円)、『アンガス牛焼肉恵方巻』(650円)、『節分 いちごのロールケーキ』(220円)などの各種恵方巻き商品の予約受け付けを1月30日午前9時まで実施した。同社では、今年の恵方巻きは店舗によっては当日販売する場合もあるものの、基本的には予約販売のみとしている。

なだ万監修の恵方巻きを予約販売 ローソン

ローソン(同1万4659店舗、昨年2月現在)は、『恵方巻』(税込み標準価格420円)、『なだ万監修 海鮮恵方巻』(1580円)、『同 牛香味焼恵方巻』(1180円)、『節分ロール』(395円)などの予約受け付けを1月28日(節分ロールなどは27日)午後6時まで実施した。当日販売も行なった。

ヨーカドーでは5000円超の商品も

㈱セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブンイレブン(同2万988店舗、昨年末現在)は1月26日まで、同社の専用卵「ななたま」を使用した『こだわり玉子の恵方巻』(税込み420円)などの予約受け付けを実施した。同グループ傘下のイトーヨーカドー(同151店舗)では、『豪華絢爛!25種海鮮極み巻』(5378円)、『絶品!海老かに尽くし贅沢巻』(2786円)、『ながーい!3食ロール』(2160円)などの恵方巻き商品の予約を1月27日(2月3日引き渡し分は1月30日)まで受け付けた。なお、両業態とも当日販売商品も用意した。

イオンは有名店とのコラボ恵方巻きなど

イオン㈱グループのイオンとイオンスタイルは、本州と四国の約400店舗で1月29日まで恵方巻きの予約を受け付けたほか、当日販売も実施。ミシュランガイド東京で9年連続三つ星掲載店の「鮨よしたけ」が監修した『招福海鮮恵方巻』(税込み1058円)や、『たいめいけん監修オムライス風太巻』(842円、予約者は799円)、『加藤牛肉店監修黒毛和牛贅沢巻』(1382円、同1296円)などの予約購入を呼び掛けた。

回転ずしや弁当店も予約販売に注力

外食大手も卵を使った恵方巻きを販売。ゼンショーグループの「はま寿司」(国内511店舗、昨年末現在)や、和食レストランの「華屋与兵衛」(同93店舗、同)、「和食よへい」(同14店舗、同)は12月下旬から2月3日まで予約を受け付け、各種の恵方巻きを提供。このうち最も高価な商品は華屋与兵衛の『黒毛和牛ピリ辛巻』(税込み1393円)。各店とも予約者にのみ販売し、同グループ広報室によると「フードロス削減を意識した面もある」とのこと。

㈱あきんどスシローが運営する回転ずしチェーン「スシロー」(同540店舗、1月現在)は1月6日~2月3日に予約を受け付け、『特上海鮮太巻』(594円)、『小巻セット』(378円)などを販売。2月1~3日を引き渡し日としたが、3日の当日販売も実施。

㈱プレナスの弁当チェーン「ほっともっと」(同2531店舗、昨年末現在)は店頭予約期間を1月3~28日、ウェブ予約期間を1月10~28日とし、『から揚巻』(500円)や『チキン南蛮巻』(同)などを販売。各種の恵方巻きを味わってもらおうとハーフサイズも用意し、当日販売も行なった。ウェブ予約の開始日を前年から6日前倒ししたことや、予約者はレギュラーサイズで50円引き(ハーフサイズは30円引き)とした効果もあり、1月16日時点で前年の約3倍の予約を受けたという。