垣内が新製品『ひえ造くん』発売
ペレットの生産と冷却の機能を1台に
米や野菜、果実などの耕種農家では、従来の堆肥に比べ重量や容積が約半分になり、散布用機械で散布できるなどの取扱性の面から、ペレット化された堆肥を好む傾向が年々強くなっている。
㈱垣内(安岡和彦社長―本社・高知県南国市岡豊町中島391-8)は鶏ふんや牛ふん、豚ふんなどをペレット化し、冷却も行なえる新製品『ひえ造くん(仮称)』を開発。10月14~16日に千葉市の幕張メッセで開催される「国際畜産資材EXPO」に出展し、新製品を展示・披露する。
同社では、ペレット製造機『粒造くん』を1986年から販売するとともに、製造したペレットを冷却しないまま袋詰めすると、結露や再発酵をすることがあるため、短時間で冷やす『ひえた君』を2015年に開発。大規模向けに連結機も開発し、年々、販売台数を伸ばしてきた。
一方、中小規模の養鶏・畜産事業者からは、コストや設置スペースの観点から、ペレット製造と冷却機の2台をそろえて導入することをためらう声も聞かれたため、同社では昨年1月から、同社独自のツインダイス方式の粒造と、短時間で外気温近くまで冷却して型崩れの少ない高品質のペレットを製造する一体型複合機の開発に着手し、今年2月に省スペース・省エネ・低投資の新造粒システムを実現した『ひえ造くん(仮称)』を完成。試験運転を実施して10月の「国際畜産資材EXPO」でデビューさせることにした。
『ひえ造くん』の生産能力は時間200キロ、本体重量1.27トン、電気容量は8.204キロワット。外形寸法は幅1539ミリメートル×奥行き1222ミリメートル×高さ2235ミリメートルで、設置スペースを3分の2削減し、消費電力も約60%削減している。
同社では、販売価格は投資費用を35%程度削減する1200万円前後で検討しているとのこと。さらに次のチャレンジとして、処理能力の拡大(時間500キロ、同1トン)も追求していきたいとしている。