タイソンがキーストンフーズ買収へ
米国ブロイラー企業最大手のタイソン・フーズ(トム・ヘイズ社長兼CEO―本社・米国アーカンソー州スプリングデール)は8月20日、ブラジルの食肉大手マルフリグ・グローバル・フーズ傘下のキーストン・フーズ(本社・米国ペンシルベニア州ウエストチェスター)を買収すると発表した。
買収の対象は、オハイオ州のビーフパティ工場を除く米国内の工場6か所と開発センター1か所、中国、韓国、マレーシア、タイ、オーストラリアに展開している工場8か所と開発センター3か所。買収額は21億6000万ドル(約2398億円)。全額を現金で支払う。財務顧問はモルガン・スタンレー社が担当。買収手続きは、今年10月から始まるタイソンの2019会計年度の半ばには終わるとしている。
タイソンは事業拡大を継続的に進めている。米国ワット社がまとめた昨年の週当たりRTC(Ready to Cook)生産量は1億7480万ポンド(約7万9400トン)で、10年前より21%増えている。昨年は、植物性の〝肉製品〟を生産する「ビヨンド・ミート」にも投資するなど、全体で40億ドル超の投資計画を進めているとされる。従業員数は約12万2000人。
キーストンは昨年の全米ブロイラー企業ランキング10位の大手畜産企業。鶏肉、牛肉、魚介類、豚肉とそれらの加工品を、世界の大手ファストフードチェーンなどに供給している。昨年の週当たり処理羽数は390万羽、同RTC生産量は2380万ポンド(約1万800トン)。今年6月末まで1年間の収入(Revenue)は約25億ドル(約2775億円、うち65%が米国、35%がアジア太平洋の各拠点から)、EBITDA(利払い・税金・償却前利益)は約2億1100万ドル(約234億円)。従業員数は約1万1000人。