「畜産経営者のための雇用対策指針」 全日畜が発刊
(一社)全日本畜産経営者協会(金子春雄理事長)は、畜産業界の人材確保と維持に役立ててもらおうと『畜産経営者のための雇用対策指針』【写真上】を発刊し、会員や関係者らに配布している。
同会が令和元年度から2年間取り組んだJRA事業「畜産経営雇用促進調査事業」の成果をまとめたもので、主な内容は①畜産業における雇用の現状②畜産の雇用をめぐる政策③雇用の留意点④畜産業の雇用確保に向けた質疑応答集⑤アンケート調査結果――など。
③の人材育成の項目では、いまの時代は従来の『統率型リーダーシップ』だけでの生産性向上は望みにくいとし、フラットな組織内でスタッフと共感し合って活動するような『サーバント型リーダーシップ』が求められていると紹介。風通しの良い職場を作ることが貴重な人材の離職を防ぎ、新たな就農者の確保にもつながるとしている。
また仕事での適度なストレスは生産性を上げるが、メンタルの不調は未然に防ぎたいとし「従業員が抱える悩みは仕事に関わることばかりではない。ある程度の従業員数を抱える農業法人であれば、組織内に専用の相談窓口を設けることを検討するのが良い」などの提言も掲載。
④では、畜産関係者の取り組み事例を数多く紹介。面接・採用時に気を付けていることや、男女が働きやすい職場づくりのための工夫、障がい者雇用の実情、外国人スタッフの雇用などについて掲載している。
全93ページ。冊子への問い合わせは全日畜事務局(電03-3583-8034)へ。