「たまご白書2018」をキユーピーが公表
卵の喫食頻度と血中コレステロール濃度 「密接な関連ない」認知率19.3%
キユーピー㈱(本社・東京都渋谷区)は、11月5日の『いいたまごの日』に合わせて実施した卵に関するアンケート調査結果を「たまご白書2018」としてまとめた。卵についての認識や食べられ方、トレンドの分析を通じて、卵の正しい知識や卵料理の楽しみ方などの一層の普及を図る目的で、全国の20~69歳の男女2060人を対象にインターネットを通じて調査したもので、昨年に続き2回目。
栄養価の高さも魅力の卵
「卵を好きな理由」(複数回答)の1位は「おいしいから」(71.6%)で、次いで「様々な料理に使えて便利だから」(54.5%)、「調理が簡単だから(手軽に食べられるから)」(47.8%)。特に女性は「様々な料理に使えて便利だから」を選択する人が男性に比べ20%以上多く(男性43.1%、女性65.6%)、日々の料理に卵を利用している様子がうかがえた。さらに女性の50~60代では「栄養価が高いから」と回答した人が50%以上となり、女性の20~40代に比べて多く、性別や年代によって卵に対する価値の捉え方に違いがあることが分かった。
「卵の喫食頻度と血中コレステロール濃度に密接な関係はない」ことを知っている人は全体の19.3%で前年の17.9%から微増した。
「卵を扱う・使用する際に感じる不満・ストレス」(複数回答)について、「不満・ストレスは感じない」と回答した人が26.8%で、2017年より減少傾向。性年代別にみると、20代の男女ともに「手間がかかること」を選択する人が他の年代に比べて多いことが明らかになった。
さらに「直近3か月以内に作った卵料理」(複数回答)については、「目玉焼き(ベーコン・ハムエッグ含む)」(64.1%)、「ゆで卵(煮卵含む)」(58.9%)を作った人は約6割。男性の20代では、目玉焼きや茹で卵を作った人が4割以下ということが分かり、簡単な卵料理を作る機会が減っていることが推測された。
料理する世代でも卵料理の購入経験
「量販店で販売されている卵料理で買ったことがあるもの」(複数回答)については、「茶わん蒸し」(44.7%)、次いで「温泉卵」(44.6%)が上位になった。性年代別でみると、男性よりも女性の割合が高く、なかでも「茶わん蒸し」と「温泉卵」は女性の40代、50代で購入経験率が50%以上であること明らかになった。これらの卵料理は直近3か月以内に作った人が15%未満と少ないことが分かっている。
「量販店で販売されている卵料理で買いたいと思うもの」(複数回答)については、「ゆで卵」は単身世帯や親と同居世帯が全体に比べて購入意向が高いことが分かった。今後、料理離れとともに卵料理の中食需要が高まる可能性が示唆されている。
「普段卵を購入する場所」(複数回答)については、「スーパーマーケット」(93.3%)が突出して高く、次いで「ドラッグストア」(15.3%)、「コンビニエンスストア」(8.0%)。スーパーマーケット以外の購入場所としては、女性の20~30代では「ドラッグストア」、男性の20代と女性の50代では「コンビニエンスストア」が全体と比較して高い。その背景として、近年ドラッグストアやコンビニエンスストアの業態で、牛乳や卵、納豆などの日配品の販売を強化していることが挙げられる。
子どもが好きな卵料理1位はオムライス
子どもがいる人に「子どもが好きな卵料理・スイーツ」(複数回答)を聞いたところ、卵料理の1位は「オムライス」(61.4%)、2位は「卵焼き(厚焼き卵、だし巻卵含む)」(45.9%)、3位は「目玉焼き(ベーコン・ハムエッグ含む)」(44.4%)。
卵を使ったスイーツの1位は「プリン」(56.4%)、2位は「パンケーキ・ホットケーキ」(51.8%)、3位は「シュークリーム」(47.4%)。「子どもが好きな卵料理・スイーツ」と「子どもに食べさせたい卵料理・スイーツ」は同傾向で、親は子どもが好きな卵料理・スイーツを食べさせてあげたいと考える傾向が読み取れた。
調査結果についてキユーピーは「2017年の『たまご白書』では『卵を食べる頻度と血中コレステロール濃度に密接な関係はない』ことを知っている人は2割未満だった。2018年では、認知率は若干上昇しているものの、若年層ではまだ低く、今後も卵に関する正しい知識の継続的な啓発が課題であることが明らかになった。また、価値観の多様化や共働き世帯、単身世帯の増加などから、卵の購入場所の変化や簡単な卵料理を作る機会が減っていることも分かった。これからも卵の魅力を伝え、卵のおいしさと健康効果を食生活にうまく取り入れてもらえる提案を続けていきたい」としている。