「たまご」と「やきとり」まつり 福島県産のおいしさ伝える

清水社長㊨はプリン早食い8連覇!

福島県養鶏協会による『ふくしまたまごフェスタ』と、伊達物産㈱や県内の焼き鳥店などが実行委員を務めた『ふくしまやきとりまつり』が10月6、7日の両日、JR福島駅近くの街なか広場で開かれた。福島の地ビールを楽しめる『オクトーバーフェスト』も同時開催され、県内外の人たちが飲み物を片手に、ゆで卵や焼き鳥をほおばる姿が多く見られた。

卵、鶏肉という違いはあっても、福島県産のおいしさを広めたいとの思いは同じ。初日の開会式は県養鶏協会の三品清重会長(㈱アグリテクノ社長)による来場者への感謝の言葉で始まった。

続いて卵業界の現状を知ってもらおうと、先月日本で初開催された『IEC京都大会』の内容を分かりやすく紹介。世界36か国の約500人が情報交換する中で感じたことを「いまは世界中で〝卵は1日1個まで〟との誤解が解かれつつある」と報告した。

さらに、日本の1人当たり年間消費量は333個で世界2位だが、これを1日2個食べてもらうことで首位のメキシコ(363個)を抜き、皆にもっと元気になってもらいたいとPR。イベント会場に選んだ福島市の鶏卵消費については、総務省統計で1世帯当たり年間購入額が日本一であると伝え、「我々も消費拡大を頑張るので、皆様には一層の協力をお願いしたい」と呼びかけた。

やきとりまつりの安田雅樹実行委員長が「一生懸命焼くので一生懸命食べて!」と気勢を上げれば、オクトーバーフェストの代表者も「卵、焼き鳥とくれば…。ビールですね!」と合わせて会場を盛り上げた。

来賓の亀岡偉民衆院議員は3団体による開催を称えた上で、「世界の国々が日本の卵に注目している。その購入額1位は福島市であり、皆さんには誇りをもって食べてほしい」と、さらなる消費増を後押し。やきとりまつりに対しては、「実行委員会の皆さんは福島を焼き鳥の街にすべく頑張っている。ここから世界に向けて『ヤキトリ』の名を広められるよう、私もオリンピックまでに盛り上げていきたい」などと応援した。

県産卵が〝主役〟の企画で大盛り上がり

たまごフェスタは県養鶏協会による地元メディアを通じた告知や、福島駅前でのチラシ配りの効果もあってか朝から大盛況。整理券を受け取った先着100人には、会員の卵を特製モウルドパック(日本モウルド工業㈱製)に詰めた『ふくしまのたまご』を贈った。

『生産者による直売コーナー』も絶えることなく人が訪れ、2日間で県産卵計2000パック、温泉卵・煮卵・くん製卵・プリンなど計720点を完売。市内から訪れたという女性2人組は「卵のイベントをいつも楽しみにしている」「もらうだけじゃなくて、ちゃんと買っているのよ」と笑顔。

同コーナーの隣では㈱伊奈養鶏場(塙町)の齋藤洋専務らがアンケートへの協力を求め、好きな卵料理や1日に食べる個数、購入基準などを調査。回答者には㈱サカマキ(福島市)の坂巻幸司社長らが鶏卵加工品を試食提供した。卵の正しい知識を伝える『タマリエ〇×クイズ』は㈲あぶくま鶏卵(いわき市)の波多野和茂専務がマイクを手に、お笑い芸人のしなだマンさん(ふくしまボンガーズ)との絶妙な掛け合いで参加者と見学者の双方を楽しませつつ、卵の魅力もしっかりとアピール。

会津地鶏のヒヨコと触れ合えるテントからは子どもの歓声が聞こえ、㈲中山養鶏場(国見町)の中山宗隆社長はラジオ福島の中継に出演し、県内の養鶏企業の取り組みや、イベントの楽しさを情報発信した。

このほかにも㈲オオガキ(いわき市)の大柿陽介氏や㈱アグリテクノ(伊達市)の田中俊氏、㈲松川養鶏(福島市)の若手スタッフらによる運営で伊達鶏のジャンボ焼き鳥を使った『男串早食い競争』、手先の器用さを争う『ゆで卵の早むき競争』など様々な〝レース〟を実施。

恒例となった『プリン早食い競争』には伊達物産㈱(伊達市)の清水建志社長が8連覇を目指して出場し、アグリテクノの『たっぷり食べたい!プリン(457グラム)』を一気に平らげて優勝。ステージに空っぽの容器とスプーン、そして「プリンへの愛で頑張りました」との一言を残し、やきとりまつりでの販売に戻っていった。

福島の銘柄鶏肉・地鶏肉もどうぞ!

モクモクと煙の上がる屋台村では会津養鶏協会(会津地鶏)、㈱川俣町農業振興公社(川俣シャモ)、伊達物産㈱(伊達鶏)といった企業・団体や、県内の人気焼き鳥店が元気いっぱいに販売。㈲会津地鶏みしまや(三島町)の小平和広社長らが「普通の鶏肉とは一味違うよ」などと気さくに話しかけながら焼きたてを提供した。

ふくしまやきとりまつりは、(一社)日本食鳥協会による国産チキンまつりの福島県版でもある。伊達物産のスタッフは〝おっとり鶏太〟のサンバイザーをかぶり『伊達の男串』を調理・販売。伊達鶏を使ったから揚げや焼きそばも次々と売れた。

清水社長に、祭りを通じて消費者に伝えたいことを聞くと「何よりも知ってほしいのは国産チキンのおいしさ。きょうは3連休の初日で県外客も来ているため、福島県産の良さや、伊達鶏の赤鶏特有の味も感じてほしい」との答え。まだ暑さの残る福島市の休日は、鶏卵・鶏肉・飲食関係者の熱気とともに暮れていった。