「関西鶏卵流通協議会」を設立 会員47社 宮﨑会長らを選任

今年5月30日で(社)大阪卵業協会が解散したことを受け、エリアを拡大して関西の鶏卵と鶏卵商品を生産・販売している47社を会員とする『関西鶏卵流通協議会』の設立総会が6月26日、大阪市福島区のホテル阪神で開かれた。
10人の発起人の1人で、カネイワ鶏卵販売(株)の二階堂徳光常務が協議会設立の経緯、発起人名簿、会員登録者名簿を紹介し、議長に発起人の日興鶏卵荷受(株)の宮﨑宏治社長を選任して規約の制定、理事の選定、平成24年度事業計画と予算などの各議案を原案通り承認した。
承認された規約では、協議会の目的と事業を「会員の親睦を深め、鶏卵の知識の向上や消費の拡大の普及活動を通じ、会員と関西の鶏卵業界の発展を目指す」とし、(1)施餓鬼法要(2)鶏卵卵質検査(3)鶏卵の知識向上のための研修(4)鶏卵の消費拡大のための活動(5)鶏卵に関する情報交換(6)その他協議会において必要と認められた活動――を行なうこととしている。
24年度事業としては、8月5日を『親子丼の日』とする委員会の立ち上げや、8月21日に卵質検査と研修会、10月11日に産地見学会(イフジ産業(株)京都工場)、12日に親睦コンペ、11月5日に「いいたまごの日」普及活動、1月17日に新年総会と懇親会、3月に研修会または産地見学会・懇親会を予定している。さらに、次年度の総会前後の事業としては、4月にイースター普及活動、5月に通常総会と施餓鬼法要・懇親会、6月に『オムレツの日』普及活動などを計画している。
新役員は次の各氏。
会長=宮﨑宏治(日興鶏卵荷受(株)社長)
副会長=中辻正(ゴールドエッグ(株)専務)
理事=伊藤智行((株)小北商店専務)、川端一彰(ジャパンエッグ(株)取締役営業部長)
監事=田辺忠昭(桃田鶏卵(株)常務)、寺西雅彦((株)八百梅営業部長)
事務局=大友邦彦(日興鶏卵荷受(株)財務部長)
会長に就任した宮﨑氏は「諸先輩の築いてきた関西の鶏卵業界を当協議会が引き継ぎ、皆様の行動力とお知恵を拝借して、元気を発信できるように頑張っていきたい」とあいさつした。
(株)鶏鳴新聞社の清水敏雄社長が祝辞を述べ、司会の二階堂氏のあいさつで閉会。
懇親会は伊藤理事の進行で進め、あいさつした宮﨑会長は「デフレ、政治の停滞、欧州問題、円高、節電など、鶏卵業界を取り巻く環境は非常に厳しく、なかなか先行きが見えない状況が続いている。加えて、今後は高齢化社会が進み、現在は人口の23%が高齢者であるが、2050年には少なく見積もっても37%、すなわち日本人の5人に2人が65歳以上の時代になるという学者もいる。
物があふれ、デフレがなかなか収まらない、そして需要は高齢化で先細りがますます進むと懸念される中で、安い卵をどうやって高く売っていくか。後ほど会員の皆さんには自己紹介を兼ねて斬新かつユニークな答えや提案、意見を出していただきたいと思っている。
厳しい中にも、勝ち組の企業はいる。そんな中で根性論と言われる方がいるかもしれないが、最も心配されることは『希望の格差社会』の広がりである。元気のいい会社は希望をさらに持ち、そうでない企業は悲観的に思考する。『希望』という言葉には『あることの実現を望み願うこと』、あるいは『将来に対する期待、また、明るい見通し』など、受動的なイメージがあるが、それに対してドイツ生まれの精神分析学者のエリッヒ・フロムは『希望とは、自己中心的な貧欲ではなく、自分を超えた公共性があり、実現可能性があり、そして当事者意識の高さ、いわゆる全員参加型であるべきだ』と説いている。
そういった意味でも、今回発足した関西鶏卵流通協議会も、会員1人ひとりの皆さんのご意見、ご提案、お力添えを大事にして、元気な会にしていきたい」などと抱負を述べた。
兵庫県鶏卵流通協議会の右柳禎三会長((株)ウリュウ会長)が祝辞を述べ、中辻副会長の発声で乾杯し、なごやかに歓談した。この間、会員の自己紹介と一口トークで盛り上がり、司会の伊藤理事の閉会のあいさつで散会した。
【関西鶏卵流通協議会の設立総会であいさつする宮﨑会長】

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