多くは適正に表示 鶏卵公正公取協試買調査の結果
ISO認証やHACCP手法採用の表示は問題
鶏卵公正取引協議会は、このほど鶏卵の試買調査の結果を公表した。全国地域婦人団体連絡協議会の協力を得て、今年3月23日から26日にかけて全国の量販店などで購入した鶏卵39商品(5商品が公正マーク付き、24商品が栄養強化表示卵など)の表示内容などを調査したもの。
「名称:鶏卵」の表示がないものがあり、記載することが望ましいと指摘。原産地は、すべての商品で「国産または〇〇県産」などと記載されていた。
内容量の記載がないものが2商品あった。鶏卵公正競争規約では、農水省規格品以外は内容量を卵重区分、卵重範囲、正味重量のいずれかで記載することにしているが、食品表示基準では、鶏卵が計量法に定める特定商品となっていないため、内容量の記載は必須ではなく問題とはならない。
内容量が記載されていた37商品のうち、36商品はおおむねMS52グラム~LL76グラムと表記し、規格外はなかった。1商品は卵重区分がLで卵重範囲が64グラム~70グラム未満であったが、10個中5個が最低卵重を下回った。消費者が購入する段階で規格を満たす必要があるため、計量時に重量の自然減を加味するなどの工夫が求められる――としている。
賞味期限はすべてに表示。保存方法・使用方法と、採卵者または選別包装者の氏名・名称・住所は、一部に記載例と異なる表示があったが、意味が理解されたため、問題表示とはしなかった。
卵重計量責任者の表示がなかったもの(内容量は表示)が1商品あった。内容量を表示した場合は、卵重計量責任者を記載することが鶏卵公正競争規約に定められている――と指摘している。
文字サイズは、規定を下回ると思われるものが2商品あった。
栄養表示では、①ナトリウム表示のみで食塩相当量の表示なし=食品表示基準違反で問題②食品表示基準別表9に記載されていない栄養成分が枠内に表示=食品表示基準に従っておらず問題③栄養成分表示が許容範囲外=栄養超過は注意が必要、栄養不足は問題となる可能性④栄養成分表示はあるが、比較参考値となる普通卵の栄養成分表示がない=栄養強化卵に当たるものは、普通卵の栄養成分を参考値として表示することが望ましい――としている。
ISO認証取得と表記した2商品は、個々の製品が認証されたと誤解されるのを防ぐため、製品や梱包には使用できないとあり、問題と判断。HACCP手法採用と表記した2商品は、HACCP導入手引書に「製品認証ではない」旨が追記される予定となっているため、ラベルへの記載は好ましくないとした。
サルモネラ(ワクチン)対策実施の表記は問題ないと考えられるが、「自然」などの用語は、鶏卵公正競争規約では卵を直接修飾する表現として使用できないと指摘。遺伝子組み換え表示は、現在は5%未満の混入であれば表示できるが、2023年4月より「不検出」のものだけが対象となるため注意が必要――としている。