県産牛肉と名古屋コーチンを学校給食に提供 愛知県

畜産農家と食肉事業者を支援

愛知県は5月21日、令和2年度5月補正予算で県産牛肉と名古屋コーチンを買い上げ、学校給食に提供すると発表した。

新型コロナウイルス感染症の影響で、県産牛肉と名古屋コーチンの価格下落や販売量減少が顕著なため、学校給食に県産牛肉と名古屋コーチンを提供して児童・生徒を応援するとともに、県内畜産農家と食肉事業者を支援する。

予算額は23億911万6000円。公立の小中学校、特別支援学校、夜間定時制学校が対象で、県産牛肉は1人1回当たり100グラムを上限に3回、名古屋コーチンは同75グラムを上限に2回、約67万人の児童・生徒らに無償で提供する。

事業スキームは、県が畜産関係団体に対し、県産牛肉は100グラム当たり1000円、名古屋コーチンは75グラム当たり222円として助成し、そこから発注を受けた食肉事業者が畜産農家から買い上げて県市町村の教育委員会に食材を納入する。

大村秀章知事は記者会見で「学校給食は6月1日から再開するが、愛知県が誇るおいしい牛肉と名古屋コーチンを子どもたちにぜひ食べていただきたい。また、畜産農家の支援をしっかりやっていきたい。

県産牛肉は2月以降、販売価格が下落し、4月は和牛で前年比76%、交雑種で同75%。在庫量は増加し、4月推定で80トン。名古屋コーチンも4月に入り卸売業者の販売量が急激に悪化して前年比60%、在庫も4月推定で40トンとなっている。名古屋コーチン協会を作っていただき、県内の様々な料理店に広がっていたが、そういったところのお客さんが減るなどで需要が減少し、価格下落につながっている。

国が今回、補正予算で作った国産農林水産物等販売促進緊急対策事業のメニューの中に和牛肉等販売促進緊急対策事業があり、そこに学校給食提供推進事業がある。和牛を学校給食に提供して畜産農家を支援する事業であるが、我々からも強く働きかけをし、愛知県の場合は交雑種が7割なので、交雑種も入れてもらわなければいけないということでメニューに入れてもらった。また、名古屋コーチンというブランドもあるため、鶏肉も入れてほしいという話で対象にしてもらい、今回急きょ提案することになった。学校給食のメニューは月単位で作るので、6月には間に合わないと思うが、7月以降は可能だと思う」などと述べた。

必要な対策全力で 江藤拓農相

江藤拓農林水産大臣は5月26日の記者会見で、緊急事態宣言が全面的に解除された中での国産農林畜水産物の需要回復について「ある程度の需要回復は見込めるが、インバウンドがほぼない状況で高級なもの、特にグレードの高いレストランで使用されるような食材は苦戦が続いている。和牛や地鶏(会見では徳島県の阿波尾鶏を例に挙げた)を学校給食に提供できるように、各県で補正予算が成立している段階だと聞いている」などと述べ、第1次補正予算と第2次補正予算を通じて、必要な対策を全力で講じていきたいとした。