新型コロナの経営への影響調査 全国生活衛生指導センター
8割以上の回答者が「売り上げ減」を予想
(公財)全国生活衛生営業指導センターは、新型コロナウイルス感染症による生活衛生関係営業への影響に関する緊急調査を実施し、このほど3月16~19日に実施した第2弾の調査結果を公表した。全国47都道府県の生活衛生関係営業(理容業や旅館ホテル業、食肉販売業、食鳥肉販売業、飲食業〈麺類、すし、中華料理、喫茶飲食、社交飲食業、料理業、一般飲食〉など16業種)の経営者3008人からの回答をまとめたもの。
生活衛生関係営業は、国民の日常生活に密接に関係している各業種が含まれ、主に個人事業主で構成されている。本紙関連の食鳥肉販売業(回答経営数63)を中心に、食鳥肉や卵の需要にも密接に関連する飲食業(同合計1082)や旅館ホテル業(同461)の調査結果も含めて概要をまとめた。
売り上げ実績と見込み
【全業種】2月の売り上げ実績については、回答者の70.4%が前年同月より「減少した」と回答。22.2%が「変わらない」、6.6%が「増加した」、0.8%が「分からない」とした。3月の見込みについては、87.9%が「減少する」と回答。8.9%が「変わらない」、1.5%が「増加する」、1.7%が「分からない」としている。4月の見込みについては、82.5%が「減少する」と回答。5.6%が「変わらない」、0.9%が「増加する」、11.0%が「分からない」としている。
【食鳥肉販売業】各業種のうち食鳥肉販売業も、2月の売り上げ実績について回答者の69.8%が前年同月より「減少した」、22.2%が「変わらない」、7.9%が「増加した」と回答。3月の見込みについては、85.7%が「減少する」、6.3%が「変わらない」、6.3%が「増加する」、1.6%が「分からない」と回答。4月の見込みについては、81.0%が「減少する」、7.9%が「変わらない」、4.8%が「増加する」、6.3%が「分からない」と回答した。
【旅館ホテル業・飲食業】旅館ホテル業は4月の見込みについて、94.2%が「減少する」、2.5%が「変わらない」、3.3%が「分からない」とし、「増加する」と回答した経営者はなかった。飲食業も90.2%が「減少する」、1.5%が「変わらない」、8.3%が「分からない」とし、「増加する」と回答した経営者はなかった。
売り上げの減少割合
【全業種】2月の売り上げの減少割合については、前年同月比で「20%未満」との回答が52.6%を占めたが、以下、「21~30%」は22.0%、「31~40%」は11.0%、「41~50%」は6.0%、「51~60%」は3.8%、「60%以上」は4.7%となった。
一方、3月の売り上げ減少割合の予想については、「20%未満」との回答が28.1%となり、「21~30%」は18.0%、「31~40%」は14.5%、「41~50%」は11.3%、「51~60%」は9.5%、「60%以上」は18.5%となっている。
4月の予想割合は、「20%未満」が26.2%、「21~30%」は17.7%、「31~40%」は16.7%、「41~50%」は11.7%、「51~60%」は10.4%、「60%以上」は17.3%、となっている。
【食鳥肉販売業】食鳥肉販売業の回答では、2月の売り上げの減少割合が前年同月比で「20%未満」だった経営は65.1%を占めたが、以下、「21~30%」は18.6%、「31~40%」は7.0%、「41~50%」は7.0%、「51~60%」はゼロ、「60%以上」は2.3%となった。
3月の予想については、「20%未満」が42.3%、「21~30%」は21.2%、「31~40%」は17.3%、「41~50%」は11.5%、「51~60%」は3.8%、「60%以上」は3.8%となった。
4月の予想については、「20%未満」が41.3%、「21~30%」は19.6%、「31~40%」は26.1%、「41~50%」は6.5%、「51~60%」は4.3%、「60%以上」は2.2%と、いずれも深刻な経営への影響が広範に及ぶ予想となっている。
【旅館ホテル業】旅館ホテル業は、特に4月の減少割合について58.6%が「60%以上」を予想。「51~60%」は14.1%、「41~50%」は13.1%、「31~40%」は6.1%、「21~30%」は5.1%、「20%未満」は3.0%となっている。
休業予定と検討
【全業種】3、4月の休業予定について、生衛業全体では「休業の予定はない」との回答が63.6%となったが、「このままの状況が続けば休業を検討せざるを得ない」が20.0%、「今後の休業を検討している」が5.2%、「今後休業することを決定している」が1.3%、「既に休業している」が2.1%、「分からない」が7.7%となった。
【食鳥肉販売業】食鳥肉販売業の回答では、「休業の予定はない」が74.6%、「このままの状況が続けば休業を検討せざるを得ない」が12.7%、「今後の休業を検討している」が4.8%、「分からない」が7.9%で、「今後休業することを決定している」と「既に休業している」はともにゼロだった。
【旅館ホテル業・飲食業】旅館ホテル業は「休業の予定はない」が40.3%、「このままの状況が続けば休業を検討せざるを得ない」が30.6%、「今後の休業を検討している」が11.4%、「今後休業することを決定している」が3.7%、「既に休業している」が5.9%、「分からない」が8.1%となった。
飲食業は「休業の予定はない」が56.4%、「このままの状況が続けば休業を検討せざるを得ない」が26.2%、「今後の休業を検討している」が7.0%、「今後休業することを決定している」が1.5%、「既に休業している」が2.2%、「分からない」が6.7%となった。
支援制度の認知度、雇用助成金は75%
【全業種】様々な支援施策のうち、日本政策金融公庫の融資制度については91.5%が「知っている」と回答したが、厚生労働省の雇用調整助成金(企業が一時的な雇用調整〈休業、教育訓練または出向〉を実施することで従業員の雇用を維持した場合に助成金を交付する制度。6月30日までは緊急対応期間として生産指標が1か月で5%以上低下した中小企業には負担額の80%、解雇などを行なわない場合は90%を助成。各都道府県の職業対策課やハローワークなどが窓口となっている)の認知度は74.5%にとどまった。
【食鳥肉販売業】各業種のうち食鳥肉販売業では、公庫の融資制度については90.5%が「知っている」、雇用調整助成金については68.3%が「知っている」と回答した。