平成29年度農業白書を公表 農水省
政府は5月22日、平成29年度の食料・農業・農村白書を閣議決定し、公表した。
白書では、近年のわが国の食料自給率が、供給熱量ベースで1996(平成8)年度以降40%前後、生産額ベースで1955年度以降ほぼ60%台後半から70%台前半の範囲で推移している中で、2016(平成28)年度の鶏卵生産量については「鶏卵は、採卵鶏の成鶏めすの飼養羽数が前年度に比べ153万2000羽(1.1%)増加し、生産量は前年度に比べ1万8000トン(0.7%)増加の256万200トンとなった。採卵鶏部門は、大規模経営体による飼養羽数シェアが他の畜産部門に比べて高く、効率的な生産が最も進んでいる。生産量は、2025年度における生産量目標(241万トン)を6%以上上回っており、採卵鶏の経営体においては、需給バランスを踏まえた生産を行なうことで、経営の安定を図っていくことが重要」としている。
鶏肉生産量については「ブロイラーの飼養羽数が前年に比べ52万8000羽(0.4%)増加したことにより、生産量は前年度に比べ2万8000トン(1.8%)増加の154万5000トンとなった。消費者の健康志向の高まりなどを背景に、生産量は過去最高となり、2025年度における生産量目標(131万トン)を5%以上上回っている。近年、高たんぱく・低脂肪といった特性についての認知度の高まりから、鶏むね肉の人気が高まっており、引き続き、消費者ニーズに応える形での生産の維持・拡大が期待される」としている。
食料消費の動向では、家庭で調理する機会が減少し、生鮮食品の消費が減少する中、調理食品や外食の利用が増加する傾向にあるとしている。