鶏卵の安全性ラベル パック卵への使用始まる
高病原性鳥インフルエンザが万一発生しても、流通している鶏卵は安全だ――とする消費者向けのインパックラベルの使用が始まった。
これは、鳥インフルエンザが発生していない平常時から、消費者などに鶏卵の安全性をPRすることが、万一発生しても風評被害を未然に防ぐことになる、として(社)日本卵業協会(寺西孝年会長)が、昨年末に農林水産省など関係省庁の協力を得て作成したもの。
ラベルの内容は、表面は「消費者の皆様へ」として、鳥インフルエンザが発生した時の鶏・鶏卵の処分や移動制限などは、あくまでも鳥への伝染防止の措置で、鶏卵は食品として安全であることを記している。裏面は「卵の安全性について」として、卵を食べて人が鳥インフルエンザに感染することは考えられない、などの食品安全委員会の見解を記している。
鳥インフルエンザは絶対に発生させてはならないし、万一発生した場合でも、卵の流通にまで影響を拡大させないことが重要である。
農林水産省は、昨年11月に防疫指針を公表し、12月13日には「指針に基づく防疫措置の留意事項」を改正して、移動制限区域内の農場で生産した卵の移動制限の例外(緩和)措置を決めた。それによると、移動制限区域内に入った農場でも、ウイルス分離試験で農場の清浄性が確認されれば、卵のみは移動制限区域内外の清浄性が確認されたGPセンターや液卵・加工施設への移動が可能になった。
卵の移動の例外措置や安全性ラベルなどを活用して、生産・流通業界全体が卵の流通をストップさせない対策に積極的に取り組むことが期待されている。