鶏肉需給は順調、年末の商品確保に不安も 食鳥協理事会

(一社)日本食鳥協会(佐藤実会長)は9月3日に理事会を開き、平成27年度に実施する事業の進捗状況などを報告。恒例の「国産チキンまつり」は、関東支部の10月10日(東京都の築地場外市場)を皮切りに、今年度も国産チキンの消費拡大に向けて本部、支部と連携して効果的に実施することにした。鶏肉の需給動向については、生産、販売ともおおむね順調であるが、品不足により年末に向けての商品確保を不安視する意見も出された。

理事会の冒頭あいさつした佐藤実会長は、食鳥産業の状況について「卸や小売りの人たちにとってはずっと高値推移で、荷物も少ないこともあり、商売の環境は良くないかもしれないが、業界全体を通してみると、それなりに良い状況が続いていると思う。ただ、あまり国産品の不足が続くと、徐々に輸入品にシフトしていくことも十分に考えられる。特にタイから1か月で8000トンくらい輸入され、それらが確実に業務筋や外食、中食で消化されている状況が、ここ2~3か月続いているため、注目していくべきだと思っている。
これから年末に向けて忙しい時期になるが、国産チキンをできるだけ多く供給できるよう、皆さんのご尽力を期待したい」などと述べた。
鶏肉の需給動向などについては、各部会から要旨次のように報告された。
▽生産加工部会=今年の夏は暑かったが、うまく乗り切れたとの意見が多かった。東北地区での熱死は約9万羽、先月の台風で一番被害が大きかったのが南九州のインテで約4万羽。
成鳥の状態は各社とも悪い数字はなく、体重は3キログラムくらい。
ひなの値上げを要求されているインテや、12月に向けてのひなの供給不足を心配するインテもあった。
人手不足の話題は続いており、名古屋地区ではトヨタ関連会社が時給2000円で募集していたものを、2200円まで上げてきたとの話があった。人手不足は全国的で、主要7品目は必死で取っているが、それ以外の品目については対応できていない。
販売状況は、一時期中だるみはあったが、現在は順調で、在庫も各社とも非常に少ない。
▽荷受部会=もも肉の売れ行きは8月に入り、決して良くない。年末に向けての備蓄で凍結しているが、少し余り気味かなと考えている。特にGMS(総合スーパー)の売り上げは前年比100%を割り込んでいる。ブラジル産もも肉の解凍品がお盆ごろから目立ち、100グラム当たり48~58円で販売されているため、脅威に感じている。
輸入ポークも非常に安い価格で販売されているため、学校給食も含めてメニューがチキンからポークに替わってきている。
副産物関係では、レバーは廃棄することなく、ほぼ完売している。砂ぎも、手羽先も足りない状態。ささみも不足気味で何とか回っている。手羽元は若干凍結に回っているが、それほど苦もなく販売できている。ただ、7品目以外の1.5次加工品や、せせり、ハラミなどの入荷量が少なく、荷受としても大変苦労している。産地にお願いしても人手不足の問題もあり、満足いく入荷量にはなっていない。
むね肉は足りない状態で、すべて完売。
もも肉を一部凍結に回して備蓄している中で、年末に相場が上がるのか、荷受としては不安なところもあるが、もも肉は700円をうかがえるくらいに、むね肉は340~345円をキープする相場展開になるのではないかと予想されている。
ただ、ブラジルやタイからの輸入量が増えている中で、特にブラジル産もも肉が安くなると、むね肉の需要が一気に落ちるのではないかと心配されている。
▽小売部会=6月から7月中旬にかけて売り上げは順調に推移していたが、7月20日以降、8月一杯にかけて非常に厳しくなった。要因のひとつは猛暑で、「家で火を使わない」「生肉を家に持ち帰るのが不安」という消費者の行動が表れている。一番大きな要因は、昨年の7月20日以降に中国で使用期限切れ鶏肉の問題が起こったことで、昨年は前年比110~115%と売り上げを伸ばしていたため、それに比べると今年は辛かった。
加工品は好調で、特にお盆や各地での花火などのイベントでは非常に好調だったが、切り詰めるところは切り詰め、使う時は使うという消費の二極が顕著であった。
卸関係は、6~7月は比較的良かったが、8月については悪く、特に外食関係は厳しかった。ただ地域差もあり、新規客を確保できているところは売り上げも確保できたが、既存客だけでは厳しい。
店頭や卸での売価を値上げできた反面、仕入れの値上げも言われているほか、鶏肉以外の調味料や副材料の値上げも結構ある。人手不足の話では、最低賃金が10月から上がり、東京と神奈川は900円台に入る。各地でも20円くらい上がるため、苦労している。時給は上がるのに質が下がって困っているとの話もあった。
年末に向けて商品の確保が不安だとする声が多かった。特に現在不足している砂ぎもや、7品目以外のなんこつ、せせりなどを確保できない。産地が細かい仕事をしてくれないため、チャンスを失っているという話もあった。
▽種鶏ふ卵部会=需要期の10月、11月のひな供給について、同業者からはすべて不足との返事が来ている。これはギリギリという表現が一番適格だと思うが、計画通りの販売はできるものの、どこかで不足すると同業者間ではカバーできない。え付けが増えるようであれば間に合わないのではないか。

海外食鳥産業視察については、10月11日から17日までの日程でカナダのトロント、モントリオールの食鳥事情や流通事情を視察する。

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