中国産鶏肉製品に消費者離れ 期限切れ肉を使用 原産国表示の要望強まる

中国の上海福喜食品が使用期限切れの鶏肉などを日常的かつ大量に使って加工品を製造していたことが、中国メディアの潜入取材で発覚。7月20日にテレビ放映されてからは、同社から鶏肉加工品を購入していた日本マクドナルドやファミリーマートの鶏肉製品も販売中止に追い込まれた。
日本マクドナルドによると、1店舗当たりの売上高は、想定より15~20%も落ち込んだとのことで、この影響で期初に発表していた14年12月期決算の通期見通しも撤回せざるを得なくなった。
国産チキンの消費が落ち込んだとの報告はほとんど聞かれないが、日本KFCの店舗では、オリジナルチキンは国産を使用しているにもかかわらず、報道が激しかった期間中は売れ行きの鈍化がみられたとのこと。
中国産食品のトラブルは、これまでも数多く報じられ、畜産関連の主なものでは、2008年に中国の工場で冷凍ギョーザに殺虫剤が混入され、千葉と兵庫両県の消費者が中毒症状を起こし、中国からの冷凍食品(調製品)輸入が激減した事件が記憶に新しい。その後も、同年9月に有害物質のメラミンが混入された粉ミルクで中国の乳幼児約30万人に健康被害が出たと報じられたほか、10月には乾燥卵からもメラミンが検出(エサ経由)され、日本側が輸入をストップした。11年には筋肉増強剤を投与した豚肉が大手食肉加工会社で使われていることが発覚した。13年には中国産鶏肉は抗生物質漬けになっていると日本の週刊誌で報じたほか、12月には牛肉加工品にキツネの肉が使用されていたことが問題に。米国での犬の怪死事件では中国製のペットフードが疑われるなど、食の安全・安心を損なう事例が相次いでいる。
ただ、08年から急減した中国からの食料品輸入は、価格の安さなどから徐々に回復、12年の鶏肉調製品輸入量は22万4578トンで過去最高を更新。農畜水産物全体の輸入額も13年は1兆200億円で、ピークだった06年の1兆449億円に迫っている。
問題を起こした上海福喜食品は、米食品加工大手のOSIグループ(本社・イリノイ州)の中国現地法人で、OSIは、マクドナルドやピザハット、ケンタッキー・フライド・チキンなどのファストフードのほか、食品世界最大手ネスレ、流通最大手のウォルマートなどを顧客に持つとされる。今回の事件は、OSIの設定する品質・安全管理基準はもちろん、取引先のマクドナルドなどの厳格な基準の審査もすり抜ける組織ぐるみの不正行為が行なわれたもので、「外資企業は中国でも安全管理を徹底している」との“外資神話”は崩壊した。
中国産に限らず、海外産の調製品や野菜、水産物などの食材輸入がますます増加する中で、食の安全性を担保するためにも、原産国表示を厳格に実施することが求められているといえる。

食品安全で日中の実務者レベル協議

中国・上海福喜食品の期限切れ鶏肉などの問題で、「日中食品安全推進イニシアチブ」に基づく実務者レベル協議が8月6日、北京で開かれた。
中国側は(1)上海福喜食品の施設は問題が発覚した後、7月21日から製造停止と輸出停止措置が取られ、疑いのある製品は回収措置が取られた(2)対日輸出食品は中国国家質量監督検験検疫総局(AQSIQ)によって厳格に管理されており、8月5日までの上海当局の調査では、これまでのところ対日輸出された食品に問題はない――と説明。
日本側は、具体的な根拠とともに結果を報告するよう要請した。