鳥インフルエンザ対策の徹底を確認 タイのAIリスク評価では生鮮鶏肉の輸入再開の方向 農水省・家きん疾病小委員会

農林水産省は11月27日、食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会の家きん疾病小委員会を開き、今年9月以降に各県や団体に呼びかけていた鳥インフルエンザ(AI)対策の強化方針を説明し了承を得た。また、2004年1月からAI発生のため生鮮家きん肉の輸入を停止しているタイについて、「清浄国として認定する」とのリスク評価案を示した。今後、家畜衛生部会に報告して了承されると、一定の条件の下に生鮮家きん肉の輸入を認めることになる。

家きん疾病小委員会では、渡り鳥の飛来シーズンを迎え、アジア諸国でAIの発生が続いていることから、引き続き発生予防のための防疫対策を徹底することを確認した。
2004年にAIが発生し、日本が生鮮家きん肉の輸入を停止しているタイについては、2008年11月の発生を最後にAIは確認されていない。同国は2009年に清浄化宣言を行ない、日本にも輸入再開を求めていた。家きん疾病小委員会に提出されたリスク評価案では、「清浄国として認定し、一定の条件の下に生鮮家きん肉等の輸入を認めて差し支えないものと考える」となっている。
家畜衛生部会(開催時期は未定)で了承されると、日・タイ政府間で条件を整備して輸入解禁となる。輸入関係者の間では、解禁は来年3月ごろで、実際に荷物が入ってくるのは4月以降と観測する向きが多い。
原料不足の中で輸入に前向きな商社もある一方、解禁後の生鮮鶏肉の輸入量は「それほど増えない」との見方が多い。要因としては、最近のバーツ高に加えて、生鮮鶏肉の輸出に最も積極的とされたサハ・ファームが今年7月以降、資金繰りの悪化や労働争議などで、約3万人いた従業員数が半分程度に減少し、経営陣は立て直しに努めているものの、本格的な再稼働は来年4月以降にずれ込むとみられるため。
さらに、タイの大手インテ各社は2004年のAI発生以降、加熱調製品への設備投資を進め、国際競争力の高い鶏肉調製品の供給体制を整備してきたため、付加価値が低い生鮮品の輸出には、それほど積極的でないとされる。
生鮮品の輸入価格について、商社関係者は、「一部の部位を除くと、ブラジル産と比べて価格競争力はない」「日本着では、それほど安くならない」とし、月間の輸入数量についても「各社ともサンプルとして輸入するものの、数量はブラジル産の10分の1程度(3000トン前後)にとどまるのでは」などの見方が出ている。タイ産生鮮鶏肉の輸入量が最も多かったのは2002年の約18万3000トンで、2003年の輸入量は約17万5000トン。
ただ、生鮮鶏肉の輸入解禁に伴い、半加熱状態の調製品も輸入可能になるため、調製品の輸入量は増加するとみられている。これは、タイの工場で中心部は完全に加熱せずに衣などを付けて出荷し、日本国内の各店舗で提供直前に油で揚げることで、より生鮮鶏肉を使った料理に近い食感のメニューが提供できるためで、外食チェーン店や小売店の総菜向けなどを中心に、需要が出るとみられている。

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