低卵価とTPP対策で集会 日本鶏卵生産者協会

(一社)日本鶏卵生産者協会は9月13日、東京都港区のアジュール竹芝で低卵価対策とTPP(環太平洋経済連携協定)対策に向けた鶏卵生産者集会を開き、(1)TPP交渉では鶏卵の課税を維持するとともに、生食文化の維持が可能になる配慮を求めること(2)26年度からの経営安定対策事業については、鶏卵の需給と価格の安定に資するよう、事業の仕組みの抜本的な見直し・改善を図ること――を決議し、結束して政府・与党に働きかけることにした。

鶏卵生産者集会には、全国から日本鶏卵生産者協会の会員ら約130人が出席。冒頭あいさつした緒方忠浩会長代表は、最近の鶏卵情勢や、ブルネイでのTPP交渉会議に日本の畜産ネットワークの一員として参加した印象などについて触れ、「TPP参加によって鶏卵の生産額で1100~1500億円が失われることになれば、関税の維持を何としてもやってもらわなければならないし、できないとすれば、次善の策として国としてどのような対策で養鶏を守っていただくかで、この対策を勝ち取らなければならない」とするとともに、26年度の鶏卵生産者経営安定対策事業について「農水省は前年度と同額の約52億円で概算要求しているが、今後の事業の充実については、業界が結束してTPP対策や補正予算問題に取り組んで、予算の上積みを図っていかなければならない」と強調した。
秋田善祺政策代表も、鶏卵産業を守る諸対策の実現には、業界が団結して政治や行政へ働きかけることが重要だとし、これまでに日本鶏卵生産者協会などを中心に、生産者自信が結束して運動することによって実現した(1)鳥インフルエンザの移動制限区域の縮小や診断の迅速化による卵の移動制限期間の短縮(2)52億円の鶏卵生産者経営安定対策――などの経緯を詳しく解説。「鳥インフルエンザでは感染した養鶏場は大変であるが、TPPは鳥インフルエンザ以上に怖く、個々の養鶏場だけでなく、養鶏業界全体が影響を受けて危機に陥る。アベノミクスでは、自動車産業や輸出関連産業は好調だが、円安の被害を受けているのは養鶏業界で、黙っていると養鶏産業は潰されてしまう。早急にTPP、補正予算、来年度の経営安定対策事業、安定制度の法制化への対策を進めていかなければならない。そのためには、与党の養鶏議員連盟の先生方を通じてロビー活動(農政活動)を展開する以外にない」とし、羽数規模に応じて活動資金を拠出し、ロビイスト活動を担う『日本養鶏政治連盟』に多くの生産者の参加を強く呼びかけた。
当面する養鶏情勢と低卵価対策や経営安定対策、TPPへの取り組みの現状について、島田英幸専務理事が説明し、彦坂誠理事が「TPPから我が国鶏卵産業を守るための特別決議」を提案、満場一致で採択した。

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