より使いやすく改良した「新特別急酵」 消臭効果が高く完熟堆肥を生産

トヨタ自動車(株)(本社・愛知県豊田市)と、コンタクトレンズ総合メーカーの(株)メニコン(本社・名古屋市)は、畜産向け堆肥化促進システム「レスキュー45(resQ45)」の新シリーズ『新特別急酵(しんとくべつきゅうこう)』【写真下】を共同開発した。レスキュー45の資材の「特別急酵」と「サーモ・マスター」を一体化し、畜産農家にとってより使いやすく改良したもの。トヨタ自動車の子会社のトヨタルーフガーデン(株)が製造・販売元になり、豊田通商(株)(本社・名古屋市)の販売ルートを通じて、1月23日から販売している。
悪臭や水質汚染、温室効果ガスの発生など、環境問題への関心の高まりから、家畜排せつ物のより適切な処理や有効利用が求められるようになる中、トヨタ自動車とメニコンは、畜糞の堆肥化促進システムの共同開発を進め、メニコンが保有する分解酵素と微生物をもとにした「レスキュー45」を2006年7月に発売。全国各地の養鶏家に利用されている。
レスキュー45は、食物繊維分解酵素の「特別急酵」が、畜糞中の難分解性の食物繊維を分解して糖に変え、高温菌の「サーモ・マスター」が、酵素が生産した糖を食べて増殖することで、発酵温度を上げ、堆肥化を促進するシステム。アンモニアなどの消臭効果が高く、非常に品質の高い完熟鶏糞堆肥が生産できるのが特長。
「サーモ・マスター」は、レスキュー45で生産した堆肥中に種菌として存在するため、一度投入すると追加の投入は不要としていたが、実際には戻し堆肥としての利用を繰り返すうちに、「サーモ・マスター」の菌が減少して堆肥化促進効果が減退してしまう懸念や、戻し堆肥を畜糞に投入する作業に手間がかかるとの課題もあった。
畜産農家にとってより使いやすく改良した新商品『新特別急酵』は、あらかじめ酵素と高温菌が含まれているため、戻し堆肥の混合作業が不要になるほか、高温菌が畜糞へ確実に投入されるため、より安定した悪臭低減効果や堆肥製品づくりにつながる。コスト面でも、トヨタ自動車の試算では、10万羽飼養規模の採卵鶏農家が1年間利用した際の費用は、初期導入費用を含めて従来のシステムより約10%軽減されるとのこと。
価格は1袋5800円(8キログラム入り、送料込み、税別。1配送が20袋未満の場合は別途送料実費)。畜糞10立方メートルに対して1袋を添加する。当面は従来品と併売するものの、2014年以降は『新特別急酵』に完全移行し、年間約2万2000袋の販売を目指す。
トヨタ、メニコン、豊田通商の3社は、「今後とも連携を強化し、資源循環型社会の実現を目指していくとともに、温室効果ガス発生の抑制や、農地の土壌改善に貢献していく方針」としている。『新特別急酵』への問い合わせは、豊田通商(電052・584・8371、F052・584・3520)へ。

コメントを残す