フレッシュチキン軽米が開所式 純和鶏中心に生産・処理・加工・販売一体へ

(株)ニチレイフレッシュ(早間元晴社長―本社・東京都中央区築地6-19-20)は5月20日、鶏肉の処理・加工を行なう(株)フレッシュチキン軽米(徳本博社長―岩手県九戸郡軽米町大字円子2-276-31、資本金1億円)の開所式を開き、関係者らが多数出席した。
フレッシュチキン軽米は、ニチレイフレッシュの100%子会社として2月10日に設立。十文字チキンカンパニーグループの岩手農協チキンフーズ(株)から県北工場を譲り受け、4月1日から鶏肉の処理・加工を開始している。従業員は、ほとんどが継続雇用で173人(中国人実習生、協力会社を含む)。現在は1日に約1万4000羽(うち純国産鶏種・純和鶏は約5000羽)を処理している。
開所式であいさつしたニチレイフレッシュの早間社長は「わが社は自然保護や環境との共生にも配慮した“こだわり素材”を磨き、安全・安心を追求する品質保証体制の下、お客様に最適な形態でお届けする事業を通じて、将来にわたって価値を提供する企業を目指している。
2007年に岩手県洋野町に設立したニチレイフレッシュファームは、“こだわり素材”の1つである純国産鶏種・純和鶏の養鶏部門である。このたび、軽米町に純和鶏の処理・加工に最も適した工場であるフレッシュチキン軽米を設立し、養鶏から処理・加工、販売まで純和鶏の一貫した事業体制を整えることができた。調達・販売という中間流通に軸足を置くわが社にとって、国内チキン事業の生産部門への期待を込めた挑戦である。
フレッシュチキン軽米では、地域社会との共生を念頭に置き、十文字チキンカンパニーグループによって培われた処理・加工技術の継承と、従業員一人ひとりの活力をベースに、さらなる品質保証体制の向上とお客様のニーズに合った細やかな対応を進めて、より一層お客様の要望、期待に応えていきたい。今後も生活者に託された『安全・安心な食品を安定的に供給する』との食品事業者としての責任に応えるために、真摯に事業運営に取り組みたい」などと述べた。
来賓として出席した(般社)日本食鳥協会の芳賀仁会長、山本賢一軽米町長、工藤大輔岩手県議会議員がお祝いを述べ、芳賀会長は「ニチレイグループにはチキンの加工技術のノウハウがたくさんあり、世界各地に販売網を持っている。日本のチキン産業の活性化、安全・安心でおいしい物を求めている消費者、チキンの主産地である岩手県のために大いに健闘してほしい」と激励。山本町長は「雇用の場の拡大や地域農業の再生など、町の活性化に大いに寄与するものと期待している」とし、工藤議員は「チキンの主産地である岩手県への進出は、地域にとってうれしいことであり、その波及効果と、県内の各事業者との相乗効果が一層期待される」と祝福した。
各方面からの祝電が披露され、フレッシュチキン軽米の徳本社長が同社の役員を紹介するとともに、「純和鶏を中心に、お客様のニーズに合ったきめ細やかな加工対応と、高付加価値商品の製造・販売を目指すため、これまで以上のご指導ご鞭撻をお願いする。皆様からいただいた言葉を励みに役職員一同、これからの事業運営に邁進したい」とお礼を述べた。
ニチレイフレッシュは、純和鶏の増産を視野に入れ、3月1日に養鶏事業会社の(株)フレッシュファーム軽米(田邉弥社長―岩手県九戸郡軽米町大字上舘中川原13-68-2、資本金3000万円)を、農業従事者との共同出資で設立した。出資比率はニチレイフレッシュが49%、農業従事者5人が51%で、純和鶏を年間170万羽出荷する農場を建設し、来年度から飼育を開始する予定。
開所式後の記者会見でニチレイフレッシュの早間社長は「純和鶏のお客様を開拓しながら羽数を増やしていきたい。1日の処理羽数が5000羽のため、限られたところにしか販売していないと認識している。まだ紹介しきれていないマーケットがあるが、我々自身で開拓できると考えている」と話し、フレッシュチキン軽米の徳本社長は「鶏肉の生産と処理、販売が直結するため、お客様のニーズに応じて処理・加工し、フレッシュな高付加価値製品を消費地に届けたい。営業と一体となった商品開発にも取り組みたい」などと述べた。
【関係者らが多数出席したフレッシュチキン軽米の開所式(上)とフレッシュチキン軽米の処理工場内部】

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