農水省が家畜用飼料の放射性セシウム暫定許容値設定でQ&A

農林水産省は、東京電力福島第1原子力発電所の事故に対応し、8月1日に放射性セシウムを含む飼料や、肥料・土壌改良資材・培土の暫定許容値を設定したが、22日にQ&Aを作成して公表した。
配合飼料や混合飼料については、1キログラム当たり放射性セシウムの暫定許容値は300ベクレルとなっている。農林水産省は、配合飼料などは、輸入された原料や、これらの原料を加工したものを主体に製造されているため、適切に管理されている限り、放射性物質に曝露されることはないが、「今後、23年産の飼料用米、米ぬか、ふすま、魚粉などが飼料や飼料原料として使用されることを考慮して暫定許容値を設定した」とし、放射性ヨウ素については「環境中の濃度が食品安全上問題のないレベルまで低下してきているため、今回は設定しなかった」としている。また、この暫定許容値の設定は「家畜排せつ物を経由した農地土壌の放射性セシウムの汚染の抑制にも役立つ」としている。
さらに、今回の飼料の暫定許容値は、「食品の暫定規制値(卵や肉の放射性セシウムで1キログラム当たり500ベクレル)を超えない畜産物を生産するために、どのような飼料を給与すれば良いかを判断する目安として定めている」が、家畜は水や空気、土壌、敷料、野草、あるいは屋外に放置された飼料など、さまざまなものから放射性セシウムを摂取する可能性があるため、「飼料の保管、家畜の飲用水や飼育場所などにも注意」してほしいと呼びかけている。
配合飼料については、これまで出荷されているものは、保管や輸送の際に適切に管理されている限り、「放射性物質に曝されている可能性はほとんどないとみられる」ため、引き続き輸送・保管に注意することを求めている。
飼料の製造業者は、製造した配合飼料などが暫定許容値を超えていないことを、どのように確認したら良いかについては、「製造・販売業者は、工程管理上の確認を行なっておれば、必ずしも分析を行なう必要はない」としている。ただ、放射性セシウムの含有状況については、(1)今後、国産飼料原料を使用する配合飼料などについては、国、県などが行なう国産飼料原料のモニタリングデータなども活用し、当該国産飼料原料の含有状況を確認し、暫定許容値を下回るように適切に管理(2)輸入した原料や、輸入原料を加工したものから製造した配合飼料は、放射性物質に汚染されないように引き続き適切に管理――してほしい、としている。

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