茹で卵は適度に保存した卵が良い キユーピーが日本調理科学会で発表

キユーピー(株)(鈴木豊社長―本社・東京)は、9月13、14の両日に新潟で開催された日本調理科学会平成17年度大会で、「産まれたての卵よりも、10度Cで10日間保存した卵の方が、おいしく、しかも卵殻が剥きやすい茹で卵ができる」と発表した。
産まれたての卵で作った茹で卵の場合、卵白はもろくて特有の弾力性がなく、食感も良くない。しかも卵白が卵殻に付着してきれいに剥くことができなかったとのこと。卵は、他の生鮮品と同様に新しいほどおいしいと思われがちであるが、茹で卵の場合には、適度に保存した卵の方が適していると結論付けている。
同社研究所が行なった実験は、採卵翌日の卵(4度C、1日保管)、10度Cで3日間、6日間、10日間保管した卵で茹で卵を作って、おいしさ、卵殻の剥きやすさを調べたもの。
その結果、「採卵翌日の卵では、卵白はもろくて特有の弾力性がなく、食感も良くなかった。また、卵らしい香りである硫化水素臭も弱く、おいしくなかった」とした。
卵殻の剥きやすさでは、「茹で卵10個を剥くのに要する時間は、採卵翌日の卵では7分42秒であったのに対し、保管日数が増えるにしたがって剥くのに要する時間は減少し、10度Cで10日間保管した卵では3分35秒であった。
しかも採卵翌日の卵では、すべての卵が卵殻に付着して、著しく欠けたのがあったのに対し、保管日数が増えるにしたがって卵殻がきれいに剥けるようになった。
これは保管中に、卵白に含まれる二酸化炭素が揮発してpHが上昇。これによって、茹で卵の卵白ゲルがしっかりとし、おいしくなり、卵殻も剥きやすくなったと考えられる」と考察している。

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