鶏卵、食鳥とも弱含み 全農の5~6月市況予想

全農は、このほど5~6月の畜産物市況予想をまとめた。鶏卵、食鳥ともに弱含みの予想となっている。
〈鶏卵〉
5月=供給面では、秋ひなの産卵ピークを迎えるため、生産量は高水準の推移が続く見込み。鶏卵消費のさらなる悪化が見込まれる中、老鶏淘汰などの生産調整実施による生産量の抑制が急務である。
需要面では、景気後退の続く中で、家計消費量や特売実施率などが回復する状況は期待できず、消費環境の改善はほとんど見込めないため、連休以降の販売不振による滞貨玉の発生が懸念される。
相場は、Mサイズ基準値月間平均で140円前後(前年157円)か。
6月=供給面では、昨年末にえ付けされたひなが、大規模なロットで産卵を開始することが見込まれるため、下位サイズを中心に余剰感がさらに高まるであろう。
需要面は、消費不振が続く中、入梅に伴い鶏卵消費が落ち込み、荷動きがさらに悪化することが懸念される。加工メーカーの手当てによる市場隔離に期待したい。
相場は、Mサイズ基準値月間平均で135円(前年163円)か。

〈食鳥〉
5月=国内出荷は、計画処理羽数が前年比103.4%、同処理重量が同101.3%(PWV見通し)と、羽数ベースでは依然として供給過剰気味の推移が懸念される。
輸入に関しては、当分の間は、現状の3万トン台での推移が予想されるものの、主要輸出国の個別事情もあり、先行きは不透明。
需要面では、量販店など末端の荷動き自体が極めて鈍化していることから、引き続き強材料に乏しい状況が続くものと思われる。
市況は当面、反転は望めず、月間平均で、もも540円前後(前年646円)、むね170円前後(同227円)か。
6月=国内出荷は、計画処理羽数が前年比103.6%、同処理重量が同101.6%となっているが、日本食鳥協会が生産加工部会の会員に対し、生鳥出荷重量を前年実績の5%減とする調整を呼びかけていることから、今後、その効果が注目される。
需要面は、梅雨入りを迎え、消費がさらに鈍化することは避けられない。入荷動向によっては余剰感が一層強まることが懸念される。
市況は、引き続き弱含みの推移か。

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