まん延防止へ対策共有 越境性動物疾病防疫対策推進会議

豚コレラのまん延防止や、鳥インフルエンザなどの侵入防止対策の徹底を呼びかけた

農林水産省は9月14日、全国の都道府県家畜衛生担当者を招いて「平成30年度越境性動物疾病防疫対策推進会議」を開き、9月9日に岐阜県で26年ぶりに発生が確認された豚コレラのまん延防止や、近隣諸国で発生しているアフリカ豚コレラ、口蹄疫、渡り鳥の飛来シーズンを迎える鳥インフルエンザの侵入防止対策などについて畜産関係者への注意と指導の徹底を呼びかけた。

冒頭あいさつした上月良祐農林水産大臣政務官は、岐阜県の養豚場で発生した豚コレラ関連では周辺の野生イノシシからもウイルスが見つかったことや、自身が茨城県副知事時代に経験した鳥インフルエンザ対応の教訓などに触れ、「まん延防止のためには、早期発見・早期通報と防疫の迅速・的確な初動対応に尽きる。アフリカ豚コレラや鳥インフルエンザも、国内に侵入すると大きな影響は避けられない。飼養衛生管理基準の順守、衛生管理の指導の徹底をお願いする」と強調した。

同会議は消費・安全局動物衛生課の熊谷法夫課長の司会で進め、動物衛生課の担当者や各専門家が、①岐阜県での豚コレラ②海外での越境性動物疾病の発生状況と防疫体制③海外でのHPAIの近況④口蹄疫などの疾病発生時の精神衛生活動――について報告した。

今回岐阜県で発生した豚コレラウイルスは、これまで国内で発生したウイルスと異なり、海外から侵入したとみられる。

高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)でも情報共有

農研機構動物衛生研究部門の西藤岳彦越境性感染症研究領域長は「海外におけるHPAI(高病原性鳥インフルエンザ)の近況」について、平成30年1月に香川県のブロイラー農場で発生した香川株のH5N6ウイルスと、島根県のコブハクチョウや東京都のオオタカ、兵庫県のカラスから分離されたH5N6ウイルスの遺伝子解析から高い相同性を示したが、これまで国内で流行したH5N6ウイルスとは低い相同性しか示さなかったと説明した。

西藤氏は遺伝子解析の結果から「香川株は、昨年度ヨーロッパを中心に大きな発生を引き起こしたH5N8亜型HPAIウイルスと、ユーラシア大陸で循環しているN6亜型NA遺伝子を持つAIウイルスとの遺伝子再集合ウイルスと考えられ、海外から新たに侵入した」としたうえで、2017―18年の2シーズンにわたってヨーロッパで同じ亜型・系統(H5N8)のHAPIが発生したことや、夏場に野鳥事例が報告されていることは異例で、「ヨーロッパで発生したものをみることで何らかの動きが分かると思う。今シーズンも十分な警戒が必要」とした。

中国などでヒトへの感染が1625症例、623人の死亡が確認されているH7H9亜型鳥インフルエンザについては、鶏での流行が中心で、中国ではワクチン接種と発生した場合の的確なとう汰で制御可能とされているが、「ライブバードマーケット(生鳥市場)でのウイルス浸潤が活発で、遺伝子再集合などによって病原性が変化する可能性も心配される」と伝え、最新情報を共有して今後とも発生リスクが高い「H5やH7のHPAI発生を見据えて、さらなる防疫体制を構築する必要がある」ことを確認した。