平成26年の種鶏導入は、ほぼ前年並み
(一社)日本種鶏孵卵協会(山本満祥会長)は7月9日にブロイラー、10日にレイヤーの素ひな計画生産検討会を開いた。26年の種鶏導入は、レイヤー種鶏は前年に比べ9.2%減、ブロイラー種鶏は0.1%減となるが、26年度ではレイヤー種鶏は1.1%増、ブロイラー種鶏は0.8%増となり、ひな需給に大きな問題はないものとみられている。
レイヤー種鶏は約107万羽
レイヤー孵卵場24社(場)から集計した平成26年(1~12月)の種鶏導入計画羽数は97万9055羽で前年の106万7017羽に比べ8.2%減少するが、26年度(4~3月)では97万3430羽で前年度の96万1787羽に比べ1.2%増となる。これを基に推計した全国の種鶏導入羽数は、26年は107万3000羽で9.2%減、年度では108万5000羽で1.1%増が見込まれる。
卵殻色別の種鶏導入計画は、白色卵系は26年は前年比5.8%減、年度では2.0%増。褐色卵系は26年は15.6%減、年度では3.9%減。ピンク卵系は26年2.0%増、年度では12.3%増の見込み。
全体の構成割合は白色卵系が26年60.4%(前年58.8%)、年度62.3%(同61.1%)。褐色卵系が26年29.4%(同32.0%)、年度27.5%(同29.4%)。ピンク卵系が26年10.2%(同9.2%)、年度10.1%(同9.5%)。
種鶏の育成率97%、供用期間308日(44週まで)、種卵の採取率92.8%(23年までは89.54%)、種鶏1羽当たり素ひな生産羽数100.34羽(同89.54羽)、同年間平均生産羽数118.9羽(同106.1羽)の算定指標を基に、25年と26年の種鶏導入羽数から26年(1~12月)の採卵用ひなの生産能力を試算すると、ふ化羽数は1億731万羽、うち素ひな出荷羽数見込みは前年比3.1%減の9980万羽の見込み。
一方、26年のコマーシャルひなえ付けについては1~5月を実績値、6~12月を『前年並み』とすると、9658万8000羽となり、トータルでは約321万羽の余剰が見込まれる。
年度間では、ひなふ化羽数が1億653万羽、うち素ひな出荷羽数見込みは前年比3.7%減の9907万羽。え付けは4~5月を実績値、6~3月を『前年並み』とすると、トータルでは約248万羽の余剰が見込まれる。
ただ、鶏卵相場の上昇を背景に、ひなの導入意向が強まれば、ひな需給は締まってくることも考えられる。
ブロイラー種鶏は約469万羽
54社(場)のブロイラー孵卵場から集計した平成26年(1~12月)の種鶏導入計画羽数は469万1405羽で前年の469万4995羽に比べ0.1%減とほぼ前年並みの水準であるが、26年度(4~3月)では467万5751羽で、前年度の463万7323羽に比べ0.8%増となる。これを基に推計した全国の種鶏導入羽数は、26年は469万1000羽で前年の469万5000羽に対し0.1%減。年度では467万6000羽で前年度の463万7000羽に対し0.8%増が見込まれている。
羽色別の種鶏導入計画を前年と比較すると、白色羽系は26年0.2%減、年度では0.6%増。有色羽系は26年3.5%増、年度では23.0%増。地鶏系は26年2.2%増、年度では13.3%減。
全体の構成割合は白色羽系は26年97.0%(前年97.1%)、年度96.9%(同97.1%)。有色羽系は26年1.8%(同1.7%)、年度2.0%(同1.6%)。地鶏系は26年1.2%(同1.1%)、年度1.1%(同1.2%)。
25年と26年の種鶏導入羽数から、種卵採取開始日齢180日(6か月齢)、採取期間270日(27週齢~64週齢)、種鶏1羽当たり141.4羽(19年までは131.06羽)を基に、26年(1~12月)のブロイラー用ひなの生産見込みは前年比2.2%減の7億336万羽となり、コマーシャルひなえ付けを1~5月は実績値、6~12月を『前年並み』とすると、6億8994万羽となり、年間では約1342万羽の余剰が見込まれる。
年度間では、ひなふ生産見込みが7億614万羽で0.8%増。コマーシャルひなえ付けは4~5月を実績値、6~3月を『前年並み』とすると、トータルでは約1620万羽の余剰が見込まれる。
ただ、10~12月の豚の出荷がPED(豚流行性下痢)の影響で減少する見込みで、需要が鶏肉にシフトすると、ひな需給は均衡ないし不足気味に推移することも考えられる。