成鶏更新・空舎延長事業が発動 4月13日以降の出荷が対象
5月の連休明けの鶏卵相場は、7日に各地で各サイズが5~10円下落し、東京はさらに翌週の13日(月)に10円値下がりした。この結果、JA全農たまごの東京と大阪の各サイズの加重平均から試算される日々の標準取引価格が158円となり、(社)日本養鶏協会の鶏卵生産者経営安定対策事業に基づく『成鶏更新・空舎延長事業』の発動基準(159円)を下回ったため、今年度初の発動となった。
同事業は、日々の標準取引価格が安定基準価格を下回った30日前から対象になるため、今回の対象は5月13日の30日前の4月13日に出荷した成鶏分から。60日以上の空舎期間を置いてひな(成鶏を含む)を導入した場合、10万羽未満の生産者には1羽当たり200円、10万羽以上の生産者には同150円、協力した食鳥処理場には同17.4円の奨励金が支払われる。
鶏卵相場は25年度に入っても低迷し、4月早々から『価格差補てん事業』が発動され、24年度に続いて財源の枯渇が心配されている。例年であれば梅雨と、その後の夏季は、さらなる相場低迷が懸念されるため、成鶏更新・空舎延長事業の発動によって、成鶏の稼働羽数が減少し、相場の下落が止まることが期待される。
日本成鶏処理流通協議会の4~6月の集鳥予想によると、同会加入の約58%の処理場が例年に比べて「やや少ない」「かなり少ない」と回答(「適量」との回答は約18%)しており、成鶏の出荷が増えても処理については問題ないとみられる。
平成24年度成鶏更新・空舎延長事業558万羽が対象に
(社)日本養鶏協会は、このほど平成24年度の『成鶏更新・空舎延長事業』の奨励金交付実績をまとめた。発動期間は昨年5月~8月と同12月~今年1月の2回で、参加生産者の合計は、10万羽以上層が119戸、457万3245羽(奨励金は6億8598万6750円)、10万羽未満層が99戸、101万2223羽(奨励金は2億244万4600円)、協力処理場は72社で奨励金は9717万5637円で、奨励金の合計は9億8560万6987円であった。