1月以降の鶏肉需給に危機感も 食鳥協理事会

(社)日本食鳥協会(芳賀仁会長)は12月6日、東京都千代田区の東京国際フォーラムで理事会を開き、来年1月11日に臨時総会を開いて一般社団法人化に向けた定款変更を決議することや、会員の入会(宮崎県食鳥肉販売業生活衛生同業組合、(株)日本アクセス)、食料品への消費税の増税反対を全鳥連などと陳情することを了承した。
あいさつした芳賀会長は「相場がなかなか上がらず、産地は大変ではないかと気になっている。主産地での鳥インフルエンザ(AI)の多発や東日本大震災などで、経営基盤が弱くなっているのではないか。一方、流通・小売り段階でも商品が思うように動かず、いろいろな問題がある。
家畜伝染病予防法と防疫指針が改正されたが、これまで多くのAI発生事例があったにもかかわらず、感染経路を確定できた事例が1つもない。
米国のレポートを読むと、昨年の米国のブロイラー処理羽数90億羽の平均体重が2.255キログラムであった。年間1億羽を処理するノースカロライナ州の会社では、生体重が3.75キログラムで、全量を正肉解体している」などと述べた。
各部会の検討委員会での報告は次の通り。
生産加工=一部に大腸菌症の問題はあるが、各社とも育成率や増体率はおおむね順調。もも肉とむね肉の歩留まりが逆転したとの話もあるが、逆転しないまでも、かなり接近しているのが全般的な傾向と思われる。相場は上がってほしいが、むね肉の売れ行きがやや落ちて、一部は凍結に回っている。地鶏の引き合いはよい。12月は何とか乗り切れるが、1月以降の需給を心配する意見が多かった。
荷受=これほど不足感がなく、緊張感もない年末は初めてだと言う人が多い。西では何とかフレッシュで捌けているが、東では冷凍の積み増し在庫が増えている。ただ産地からはフレッシュ物が入ってくるし、特売でも数量を捌けない。積み増した冷凍物を売る機会がいつ出てくるかが心配。300円台であったブラジル産もも肉も250円を割り込んで乱売合戦になっているし、11月の船積み量も4万トンに近い。大きな危機感を持って新年を迎える。放射能問題で県産を指定したり、検査を要求するユーザーが増えている。
小売=荷受と同じような状況で、秋のホテルの外食系もパッとしなかった。例年では年末に向けて地鶏が売れるが、今年は厳しいのではないか。小売り店舗ではあまり売価を変えていないため、利益率は上がっているが、量を確保できず売り上げは減少している。小型の国産骨付きももがなかなか手に入らず、米国産やフィリピン産に移行せざるを得ないクリスマスを迎えている。放射能問題で学校給食では牛肉から豚肉にシフトしても、鶏肉には来ないため、食鳥協会として文科省に働きかけてほしい。学校給食を食べている人は800~1000万人いるため、相当な鶏肉の需要量になる。

100人に地鶏肉をプレゼント

(社)日本食鳥協会は、10月15日から11月15日まで実施した「クイズに応募して5000円相当の地鶏肉を当てよう」キャンペーンの当選者の抽選を11月28日に行なった。同協会は平成21年度から毎年、10月29日を『国産とり肉の日』と定め、全国で国産チキンまつりを実施しており、同キャンペーンはその一環として行なったもの。
今年はパソコン、モバイル、郵便ハガキから、昨年の1万2136通を上回る1万8089通の応募があり、クイズに正解した1万7088通の中から、芳賀仁会長が抽選で100人の当選者を選んだ。当選者には12月上旬までに「阿波尾鶏しょうゆ焼」(貞光食糧工業(有))が贈られる。

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