2会場で多様な新商品を紹介 ニッポンハムグループ展示会
日本ハム㈱(畑佳秀社長―本社・大阪市北区)は、1月16日から19日まで千葉市美浜区の幕張メッセ、24日から26日まで大阪市西区の京セラドーム大阪で「2019ニッポンハムグループ展示会」を開き、両会場合わせて約2万4000人の取引先関係者や株主らが来場した。
今回の展示会のテーマは〝食の未来 ともに創る〟。時短や簡便、食べ切りサイズなど、多様な生活シーンに合わせた新商品(家庭用82品、業務用61品)やメニューなどを紹介した。
食肉ゾーンでは、ブランド国産鶏肉『桜姫』のトレーパックのもも肉、むね肉、手羽先、手羽元、ささみ、砂肝、肝などの各アイテムを展示したほか、桜前線の北上に合わせて実施する「桜でお花見プレゼントキャンペーン」を紹介。1000円分のオリジナルQUOカードが、九州・中四国・関西・中部・北陸・関東エリア(実施期間は3月3日~4月5日)で873人、東北・北海道エリア(同4月7日~5月11日)で396人に当たる。国産鶏肉『桜姫』のブランドシール1枚とレシートで簡単に応募でき、ハッシュタグ「#桜姫」「#お花見」を両方つけてインスタグラムかツイッターに投稿して応募すると、当選確率が2倍にアップするとのこと。
植物性飼料にオレガノ抽出物を配合したタイ産鶏肉『ハーブ爽育鶏』では、抗生物質・合成抗菌剤フリーの新商品を展示。現地でトレーパックを行なっていることや、第三者機関の認証を受けていることなどを説明した。
簡便な調理で本格的な焼き鳥を提供できる『素焼き焼き鳥』のラインアップ(鶏ハラミ、ぼんじり、レバー、つくね、にんにくもも、もも、ねぎま、かわ)も紹介。
さらに〝ニッポンハム=お肉〟の認知度を高めるために作成したロゴや、開設したインスタグラムの食肉公式アカウント(@nipponham_official.meat)をアピールした。
エキスファクトリーでは、丸鶏をじっくり釜で炊き上げた業務用スープの新商品『丸鶏スープIS16』や、こだわり炊き出しスープベース『釜太郎』シリーズを展示。
デイリーゾーンでは、加熱調理が不要で蒸し鶏入りの『中華名菜 よだれ鶏』や、期間限定で発売する『チキチキボーン(レモン風味)』、家飲み時のおつまみにぴったりの『おつまみ鶏つくね こりこり軟骨入り』などの新商品を紹介。
業務用ゾーンでは、使い切りサイズの『サラダチキンスライス』、九州産鶏肉使用の『博多辛子明太子チキンカツ』などの簡便調理商品や付加価値商品を提案した。
企業メッセージゾーンでは、海外事業への取り組みや養豚事業へのIoT・AI活用、食物アレルギーケアへの対応などを紹介。
フードスタイルラボでは、3つのターゲットと10の食卓(ミレニアル向けに①サラダだけで済ませる夕食②お酒と市販おつまみで済ませる夕食③保存した冷ご飯を使う夕食、ファミリー向けに④簡便食品位ひと工夫の夕食⑤スマホで新メニューの夕食⑥健康とスピードの両立朝食⑦ちょっと楽しみブランチ、シニア向けに⑧ゆったりと楽しむ朝食⑨常備食材で済ませる昼食⑩お酒と市販おつまみで済ませる夕食)に対応する商品やメニューを提案した。
「未来につなげる仕組み作り」推進 畑佳秀社長
1月16日に東京会場で記者会見した日本ハムの畑佳秀社長は、TPP11や日欧EPAの発効、米国との物品貿易協定(TAG)交渉、働き方改革関連法の施行、元号の変更、消費税の増税など様々な環境変化と対処すべき課題があるとし、「食やライフスタイルも、今までにないスピードで変化している。ニッポンハムグループの調べによると、主に家事を担当する人の約47%が、日常食のメニュー決定にインターネットを利用している。この傾向はさらに加速化すると思う。一方、5400万世帯の36%が単身世帯で、その半分が高齢者となっており、ライフスタイルや世代に応じた経営戦略を推進していかなければならないと認識している。激しい変化の中こそ中期経営計画2020のテーマ〝未来につなげる仕組み作り〟を確実に推進してきたい。今年はグループを挙げての経営課題として働き方改革に取り組む。グループで働くすべての人が生き生きと活躍できる仕組みを構築し、働き方改革の真の目的である生産性の向上や、イノベーションの創出・創造につなげたい」などと述べた。
井上勝美食肉事業本部長は「今回の展示会の目的はブランド食肉のPR強化と、新戦略によるシェア獲得。鶏肉ゾーンでは、新戦略商品として抗生物質と合成抗菌剤を使用しないタイ産鶏肉『ハーブ爽育鶏』を展示。ブランド食肉では、この春に国産鶏肉『桜姫』で実施する桜前線を意識したキャンペーンを紹介している。このほか鶏の内臓の簡便な総菜や業務用商品を展示し、プロモーションコーナーでは、新たに開設したインスタグラムのアカウントを紹介している」などとした。
井川伸久加工事業本部長は「昨年12月の商戦でハム・ソーセージとデリのコンシューマ商品は前年を上回り、特にシャウエッセン、ピザ、中華名菜は順調に伸ばすことができたが、業務用が大ブレーキになった。コンビニエンスストアのクリスマスメニューで取りこぼしがあったことと、外食で定番メニューが取れなかったことが一番大きな要因である。ギフトが苦戦した原因は、送料をプラスして価格を提示したことで、結果としてお客様から評価を得られなかった」などと述べた。
大社啓二海外事業本部長は「トルコ・エゲタブ社の養鶏事業は、トルコの金融環境が悪く、リラ安による飼料コストの増大に苦しんでいるが、何とか黒字基調で推移している」などとした。