配合飼料の価格差は2倍弱 農水省の生産資材価格調査

農林水産省は8月27日、昨年8月1日に施行した「農業競争力強化支援法」第16条に基づいて実施した、国内外の農業資材の供給状況に関する調査結果を公表した。

国内の農業資材価格のうち、肥料、農薬、被覆資材、ダンボールは販売店に調査票を郵送し、農業機械は主要メーカーの希望小売価格を調査。配合飼料は畜産経営者に購入価格をアンケート調査し、農業用ハウスは販売店に最も多く設置したハウスの本体価格を電話で聞き取り調査して結果を集計した。

海外の農業資材(肥料、農薬、農業機械、配合飼料)については、米国、イタリア、韓国の公的機関による公表資料や民間企業の公表データなどから調査した。

この結果、国内の農業資材価格には、それぞれ大きな幅があったほか、海外の農業資材価格は日本よりも安い傾向がみられた。

本紙関係の配合飼料については、平成30年2月に畜産経営者314戸へ購入価格のアンケート調査を実施し、305戸から回答を得た。畜種別の購入価格は、採卵鶏(成鶏)が最小3万5208円~最大6万8904円(平均4万9012円)、ブロイラーが最小3万9960円~最大7万134円(平均5万1749円)、乳牛が最小3万9300円~最大7万794円(平均5万8198円)、肉牛肥育が最小3万7800円~最大6万8305円(平均5万990円)、肉牛繁殖が最小4万2552円~最大7万5542円(平均6万25円)、肉豚肥育が最小3万700円~最大6万1970円(平均4万7796円)で、最大価格と最小価格を比較すると、成鶏(採卵鶏)用で1.967倍、ブロイラー用で1.755倍、乳牛用で1.801倍、肉牛肥育用で1.807倍、肉牛繁殖用で1.775倍、肉豚肥育用で2.019倍となっている。

海外の配合飼料価格との比較では、米国は日本より1~3割安、イタリアは2~4割安、韓国(養豚用のみ比較)は1割安。このうちブロイラー用(後期、トン当たり)は、日本の7万4610円に対し、米国(中小規模農家向け)は6万9324円、イタリアは5万7582円となっている。

農業競争力強化支援法では、農業者の競争力強化への取り組みを支援する観点から、5年ごとに価格を調査し、その結果に基づいて必要な措置を講じることとしており、最初の調査は法施行1年以内に行ない、同2年以内に施策を検討すると定めている。