熊本、千葉、埼玉、広島でもHPAI

秋田、鹿児島、兵庫は制限解除へ

熊本県南関町の肉用鶏農場(約6.7万羽)で今シーズン国内5例目、千葉県市川市の宮内庁新浜鴨場(アヒル・アイガモ約340羽)で国内6例目、埼玉県美里町の採卵鶏農場(約1.7万羽)で国内7例目、広島県福山市の採卵鶏農場(約3万羽)で国内8例目の高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)が発生した。

熊本県では12月2日に当該農場から死亡羽数増加の通報を受けて、城北家畜保健衛生所が簡易検査で陽性を確認。3日に遺伝子検査でHPAIを確認した。当該農場から半径3km以内の移動制限区域には4農場・約6万3300羽、半径3~10km以内の搬出制限区域には18農場・約81万3878羽(うち福岡県に4農場・約5万4000羽)がいる。防疫措置は5日に完了した。

千葉県では12月4日に当該施設から死亡羽数増加の通報を受けて、中央家畜保健衛生所が簡易検査で陽性を確認。5日に遺伝子検査でHPAIを確認した。当該施設から半径3km以内と、半径3~10km以内の区域に対象農場はない。5日に防疫措置が完了した。宮内庁が管理する施設での発生は今回が初めて。

埼玉県では12月6日に当該農場から死亡羽数増加の通報を受けて、熊谷家畜保健衛生所が簡易検査で陽性を確認。7日に遺伝子検査でHPAIを確認した。当該農場から半径3km以内の移動制限区域には6農場・約66万羽、半径3~10km以内の搬出制限区域には54農場・約194万羽がいる。7日から開始した殺処分は8日に完了した。

広島県では12月6日に当該農場から死亡羽数増加の通報を受けて、東部畜産事務所が簡易検査で陽性を確認。7日に遺伝子検査でHPAIを確認した。当該農場から半径3km以内の区域に対象農場はなく、半径3~10km以内の搬出制限区域には6農場・約8万羽がいる。殺処分は7日から開始した。また、岡山県井原市の採卵鶏農場(約12万羽)を疫学関連農場に指定し、7日に鶏糞の封じ込め処理が完了。8日に陰性を確認し、卵の出荷が再開される予定。

農研機構動物衛生研究部門は、熊本県と千葉県の事例はH5N1亜型のウイルスと確認した。

一方、秋田県と鹿児島県、兵庫県の採卵鶏農場で発生した国内1~4例目の事例では、発生農場の防疫措置完了から10日が経過し、秋田県は12月1日、鹿児島県は2日、兵庫県は3日に搬出制限区域を解除した。その後、鹿児島県は防疫措置完了から21日が経過した8日に移動制限区域を解除した。秋田県は12日、兵庫県は14日に解除する見込み。