南薩食鳥の宮崎工場が稼働
種鶏・成鶏・若どりなどの加工品製造、OEM生産も重視
肉用種鶏や成鶏肉を処理、加工、販売する南薩食鳥㈱(徳満義弘社長―本社・鹿児島県南九州市知覧町)は1月4日から、加工品製造に特化した『南薩食鳥宮崎工場』(工場長=澤田実専務、宮崎県児湯郡高鍋町)を本格稼働させている。
約20年間にわたり加工部門を担ってきた旧・宮崎工場(川南町)の老朽化と、新たな加工需要に対応しようと約5億円を投じ、9018平方メートルの敷地に新工場を建設したもの。
宮崎工場では同社とグループの㈱エヌチキンが処理した種鶏・成鶏肉のほか、日本ハムグループやキユーピーグループ、江夏商事㈱などから仕入れた生産履歴をさかのぼれる原料のみを使用。から揚げやチキン南蛮などの揚げ物から、チキンハンバーグ、ローストチキン、鶏そぼろ、蒸し鶏まで幅広く製造する。肉をより柔らかく加工し、安心して食べられるベビーフードや介護食も手掛ける。
澤田専務によると「お客様のご要望に応じたOEM(相手先ブランド製造)にウエートを置いた工場であり、味付けや製法、荷姿、数量など柔軟に対応できる」とのこと。異物除去のためのX線検査装置や、各種のフライヤー、スチーマー、ボイル槽、あぶり焼き機、真空冷却機、パン粉付け機など最新の食品機械をそろえ、様々なニーズに応える。
衛生管理面では工場内を5工程に分け、加熱区と非加熱区を明確に区分。稼働2年目となる2020年には食品安全マネジメントシステム『ISO22000』認証を取得できるよう、衛生管理体制をさらに強化していく。
現在の主な出荷先はキユーピー㈱、アヲハタ㈱、生活協同組合コープみやざき、㈱マスコなど。旧・宮崎工場の2017年度の売上高は約4億8000万円であったが、新工場の初年度(19年度)は約6億円の売り上げを見込む。
南薩食鳥は今年で創業40周年。同社によると1年間に市場に流通する肉用種鶏約500万羽分のうち、約200万羽を同社グループが処理・加工している。
徳満社長は今後の事業展開などについて「現在、宮崎工場のスタッフ数は28人だが、近年中に50人まで増やしたい。さらに来年にはエヌチキンの生産力強化のための工事も控えており、両社の取り組みをより周知していく必要がある。私たちの企業理念である『喜び創り』を強く意識し、南九州の鶏食文化を全国に発信したい」と話している。
宮崎工場の概要は次の通り。
▽所在地=宮崎県児湯郡高鍋町大字持田1991-1 〒884-0005
▽敷地面積=9018平方メートル
▽延床面積=2265平方メートル(1階1868平方メートル、2階397平方メートル)
▽生産品目=種鶏・成鶏・若どり加工品など
電0983-32-0250、F0983-32-0251