前年割れ続く鶏肉相場 需要はそこそこ好調だが…
年初から右肩下がりを続けてきた鶏肉相場(正肉加重、日経・東京)は、9月に入って前月割れは脱したもの、依然として前年同月を下回って推移している。
11月も、行楽需要や鍋物需要などから、もも肉は571円(前月比14円高、前年同月比17円安)、むね肉は262円(前月比8円高、前年同月比12円安)で、前月比では堅調に推移したと言える。
豚肉の最大消費国の中国では、ASF(アフリカ豚コレラ)のまん延で畜産物価格が急騰し、タイ産やブラジル産の鶏肉輸入が増えているほか、11月14日には、米国の通商代表部が「中国が米国産家きん肉の輸入を解禁した」と発表。
タイ産やブラジル産鶏肉の輸出価格も高くなっているが、国内相場には影響していない理由については、国内生産量の増加と輸入量の高止まり、高水準の在庫が続く中で、「鶏肉だけでなく、畜産物全般にわたり消費の伸び悩み傾向がみられ、相場回復には至っていない」(日本食肉輸出入協会の11月鶏肉輸入動向検討会の見解)との見方で大方が一致しているようだ。
12月の相場についても、需要はそこそこ好調で、前月(11月)水準を上回るが、前年同月(もも肉619円、むね肉279円)を上回ることはできないとの見方が多いようだ。
鶏肉の12月出回り量は微減予想 ALIC予想
(独)農畜産業振興機構(ALIC)は11月27日、今年11~12月の畜産物(食肉)の需給予測を公表した。
鶏肉の生産量は、11月は前年同月比3.1%増の14万1700トン、12月は同6.2%増の15万6500トンと予測。
輸入量は、11月は前年の輸入量が少なかったことなどから前年同月比7.0%増の4万6200トン、12月は在庫調整などの動きから同5.1%減の4万4600トンと予測。
出回り量は、11月が前年同月比2.3%増の18万5300トン、12月が同0.2%減の20万600トンと予測。
期末在庫は、11月が同2.2%増の16万9800トン、12月が同6.8%増の17万200トンになると予測している。