「獣医療を提供する体制整備を図るための基本方針」公表 農林水産省

産業動物獣医師の確保など

農林水産省は5月27日に「獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針」を公表した。

「獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針」は、獣医療法(平成4年法律第46号)第10条に基づき、適切な獣医療を確保するための提供体制の整備に関する取り組みや、施策の方向を示すもので、平成4年に基本方針を策定して以降、おおむね10年ごとに見直し、今回で第4次となる。

基本方針は、産業動物分野と公務員分野では、①産業動物獣医師の就業・定着を図るための誘引措置(修学資金等)の一層の活用②平時からOB等の潜在的人材を確保し、臨床獣医師への家畜伝染病発生の緊急時における獣医師確保に備える③臨床獣医師と家畜保健衛生所との連携強化④情報通信技術を用いた効率的な診療体制を確保する環境の整備⑤飼養衛生管理や防疫指導を実践する獣医師の確保――を図ることにしている。

小動物分野では、①愛玩動物看護士との連携によるチーム獣医療提供体制の充実②薬剤耐性(AMR)や人獣共通感染症に対する知識の普及・啓発――を図る。

技術開発では、①飼養衛生管理等の確認・指導における情報通信技術活用の検討②豚熱(CSF)、アフリカ豚熱(ASF)等の予防・まん延防止に係る技術開発――を掲げた。

このほか、産業動物の飼育者に対する家畜衛生・食品安全に関する宗樹の普及・啓発も進める。

また、獣医療法第11条に基づき、都道府県は基本法に即して、各都道府県で獣医療を提供する体制整備の計画を定めることができることとなっており、国と都道府県が連携し、獣医師や生産者などのニーズに応える獣医療を提供する体制を整備していく。