「国際たまごシンポジウム」の参加受け付け開始 10月16~17日に京都で
10月16、17の両日に、京都市のメルパルク京都で開催される「国際たまごシンポジウム(International Egg Symposium)in京都2018」の実行委員会は、このほどホームページを立ち上げ、参加申し込みの受け付けを開始した。
日本の鶏卵の賞味期限設定の根拠となっている『ハンフリー理論』の構築や、英国の『ライオンエッグ』認証スキームで現在も継続されている同国鶏卵産業へのサルモネラワクチン接種の推奨などに取り組んだトーマス・ハンフリー博士(英国スワンセア大学医学部細菌学・食品安全学教授)が「サルモネラとカンピロバクターの制御」について基調講演する。
このほか海外から、米国農務省(USDA)のマーク・ロブスティーン氏が「鶏卵の安全安心について」、アルバータ大学(カナダ)のジャンピング・ウー教授が「抗酸化食品素材としての鶏卵」、ゲルフ大学(同)の峯芳徳教授が「卵ペプチドの生理機能研究」、バウハウス・エントホーヴェン社(オランダ)のヤン・サイダーフェルト氏が「最新情報/欧州鶏卵市場と技術」、国際FFIコンサルタント(カナダ)のヴィンセント・ギョネ氏が「南米・アフリカ・アジアにおける鶏卵の重要性」、国立農業研究所(フランス)のイヴ・ニス氏が「卵殻形成と膜強度・今、分かっていること」、バングラデシュ農業大学のハミデル・イスラム氏が「精密な孵化場の管理・運営を目指した分光技術の応用」、大連工科大学(中国)の徐永平氏が「IgY抗体を用いた疾病管理について」、国立農学研究所・乳と卵研究所(フランス)のフランソワーズ・ナウ教授が「乾熱加熱リゾチームの抗菌効果について」のテーマで講演する。
国内からも、菅野道廣九州大学・熊本県立大学名誉教授(タマゴ科学研究会理事長)が「タマゴとコレステロール・敵それとも味方?」の演題で基調講演するほか、京都女子大学の八田一教授が「鶏卵の安全性指標としての卵黄係数」、国立病院機構相模原病院臨床研究センターの海老澤元宏副センター長が「鶏卵アレルギーの現状と管理」、東京家政大学大学院の峯木眞知子教授が「日本料理でのタマゴのおいしさについて」、東京大学大学院の加藤久典特任教授が「新規健康資材としての卵殻膜の機能性」、鹿児島大学のヒッシャム・イブラヒム教授が「卵タンパク質の生理機能研究」、お茶の水女子大学寄附研究部門の岸本良美准教授が「鶏卵摂取が血清脂質、抗酸化指標に及ぼす影響」、産業技術総合研究所の大石勲グループ長が「始原生殖細胞を用いた鶏へのゲノム編集―低アレルゲン卵と金の卵の創出―」のテーマで講演する。
同シンポジウムは、アルバータ大学農業食品栄養学部の家禽研究センターが創設した「バンフ・エッグ・フォーラム」が1992年に、鶏卵の新たな用途や加工技術の開発をテーマとして始めたもので、6~8年ごとにアルバータ州バンフで開かれていたが、2012年以降は2年ごとにカナダ国内と国外で交互に開催されるようになった。2014年は、ポーランド西部のヴロツワフ大学で開催。16年はカナダのバンフで国際鶏卵委員会(IEC)が立ち上げた国際鶏卵栄養協会(IENC=International Egg Nutrition Consortium)と共催した。
今回は第7回大会となる。大会会長は京都女子大学の八田一教授と、アルバータ大学のジャンピング・ウー教授。名誉会長は、タマゴ科学研究会の菅野道廣理事長と、日本たまご研究会の松田治男会長(広島大学名誉教授)。
シンポジウムは10月16日午前9時30分から午後5時50分、17日午前9時から午後3時まで。15日にはウェルカムパーティー、16日には懇親会も催す。国内外の研究者によるポスター発表も予定している。会場のメルパルク京都は京都駅中央口から徒歩1分。
参加費は、講演会のみが1万2000円(学生無料)、懇親会とウェルカムパーティーは各5000円(学生3000円)。プログラムの詳細と申し込みはホームページ(http://japaneggscience.com/kyoto_egg_symposium.html)へ。