京都微研 オリックスの出資受け入れ 4月メドに発行済み全株式

動物用ワクチン大手の㈱微生物化学研究所(京都微研、直江千代社長―本社・京都府宇治市)は2月25日、オリックス㈱(井上亮社長―本社・東京都港区)からの出資受け入れに合意したと発表した。今年4月をメドにオリックスが京都微研の発行済み全株式を取得する予定。
京都微研は1948年(昭和23年)に日本初の民間動物薬メーカーとして創業以来、長年にわたり培ってきた研究開発力や製造ノウハウを基に、牛・豚・鶏などの家畜やペット用犬猫向けの感染症予防ワクチンを開発・製造・販売しており、牛用ワクチンでは60%を超える国内販売シェアを誇る。2011年(平成23年)にはベトナムに現地法人を設立し、今後需要の拡大が見込まれる中国や東南アジアなどへの製造・販売拠点を構えている。
近年の日本の動物薬業界は、外資系メーカーが国内市場でシェアを伸ばす一方で、動物薬部門の分社化や事業譲渡が世界規模で進行するなど、業界再編はますます活発化している。さらにTPP発効後に国内の畜産業界を取り巻く環境が大きく変化すると予想されることから、京都微研は将来にわたって安定的にワクチンを供給するために、金融サービスから農業法人の運営まで幅広く事業を展開するオリックスからの出資を受け入れることにしたもの。
オリックスは、京都微研の経営の独立性を維持しつつ、財政基盤の強化やアジアを中心とする海外販路の開拓のサポートなどで京都微研の企業価値の向上を支援する。
京都微研は「オリックスは日本の“食の安全・安心”を共に守る企業として、最良のパートナーだと考えている。今回の提携でわが社の財務基盤をより強固なものにし、再編が進む動物薬業界で日本のリーディングカンパニーとなるべく、さらなる発展を目指す。
海外では、ベトナムに設立した京都微研ハノイラボラトリーズを拠点に、オリックスが有する資本力や海外ネットワーク網を活用して、わが社の製品を東南アジアを中心とした他国に供給できる体制を構築する」としている。

コメントを残す