冨田養鶏場に農林水産大臣賞 全国優良畜産経営で表彰
(社)中央畜産会と(社)全国肉用牛振興基金協会協会(小里貞利会長)は11月2日、東京・港区虎ノ門の虎ノ門パストラルで、平成18年度全国優良畜産経営管理技術発表会・表彰式を開いた。
同発表会は、優秀な経営実績を収めている畜産経営・グループや、特色のある取り組みを行なっている畜産経営などを広く表彰するもの。
全国から集まった23事例(酪農10事例、肉用牛5事例、養豚6事例、採卵鶏2事例)のうち、書類審査などで12事例に絞り込み、4事例に農林水産大臣賞(最優秀賞)、8事例に農林水産省生産局長賞が贈られた。
養鶏関係では、(有)冨田養鶏場(冨田義弘社長-愛知県豊橋市、採卵鶏経営・約22万羽飼養)が農林水産大臣賞を受賞した。
講評の中で、審査委員長の横溝功岡山大学大学院教授は、(有)冨田養鶏場について「同社専務取締役の冨田眞之氏は、岐阜大学で獣医師の資格を取得後、ブラジル留学などを経て、現在は同社の実質的な経営者となっている。正社員14人、パートは延べ4000人(8時間/日・人で換算)と、経営規模は大きい。成鶏を約22万羽飼養し、平成17年度は約1億6000万円の経常利益を上げている。
社長の義弘氏は、他の経営に先駆けて社会保険に加入するなど、従業員福祉の充実に努めてきた。眞之専務もその精神を引き継いでいるため、従業員の愛社精神や定着率が高く、生産性の向上にもつながっている。従業員の研修にも力を注ぎ、飼料メーカーから講師を招いているほか、HACCPの講習会などにも社員を派遣している。能力のある女性パート職員をGP部門の工場長に抜擢するなど、適材適所の人事も目指している。
生産面では、オリジナルの生産工程管理表を作成し、従業員に毎日、記入を義務付けているほか、同社のGPセンターでは、汚染/非汚染地域の明確な区分けなど、食品工場と同等かそれ以上の衛生管理対策が取られている。
このような安全管理への日ごろからの努力は、大手外食チェーン店や大型量販店などのきわめて高い品質管理基準もクリアするなど、安定した経営につながっている」などと述べた。