岡田製作所が岩手・金ヶ崎町に最新鋭プラント

建物の設計から畜糞の商品化まで、岡田式発酵乾燥プラントで畜産農家のニーズに応えている㈱岡田製作所(岡田栄社長―本社・群馬県館林市近藤町3―8―2、電0276―74―3838)は、岩手県金ヶ崎町に建設を進めていた高品質堆肥製造施設(堆肥センター)が完成し、7月から本格稼働したことから10月3日、見学会と記念講演会を行なった。
堆肥センターは、日本で初めてのPFI(民間資本を活用した社会資本整備)方式を採用したもので、出資者の金ヶ崎町、岩手ふるさ農協(水沢市)と、民間企業からコンポスト運営にノウハウを有する㈱新興(仙台市)、畜糞処理で多くの実績を持つ㈱岡田製作所の4者が、総額1,000万円を出資して設立した㈲オーガニック金ヶ崎が運営を担当する。
約1万7,000平方メートルの敷地内に鉄骨、一部鉄筋コンクリート構造の施設が5棟あり、延べ床面積は約3,000平方メートル。家畜の糞や生ゴミなどを原料に堆肥を製造する円形発酵槽、家畜の糞を処理する平面発酵槽、脱臭装置などを備えている。
酪農家からの畜糞、事業所や一般家庭から出される生ゴミなど、1日約30トン、年間約9,000トンの処理能力があり、日量約4トン、年間約1,200トンの堆肥を製造できる。生産された製品は農協の販売ルートに乗せ、町内農家に安価で提供していくことにしている。
直径20メートルの最新鋭の円形発酵槽(スクリュー式発酵装置・円形発酵攪拌処理プラント)を見学した参加者からは、「環境を重視した密閉型にしていることもあって、臭気の問題を解決した、すばらしい施設になっている」との称賛の声が数多く出されていた。
スクリュー式発酵処理プラントは、①二本のスクリューで少量の攪拌物を素早く攪拌しながら移動するため、従来のスクープ式、ロータリー式に比べて速く攪拌することができる②実際の運転稼働時も騒音が少なく、粉塵がほとんど出ず、臭気が少ない、などのすばらしい特長を持つ、まさに時代のニーズに対応したプラントと言える。
見学終了後、会場を仙台市泉区のホテルニューワールドに移して講演会が開催されたが、講演に先立ちあいさつした岡田社長は、多数の出席者に謝意を表するとともに、「プラントはますます大型化の傾向にある。本日見学していただいたプラントもまだ改良の余地があると思うので、皆様方の意見を聞きながら、さらに良いものにしていきたい。今、火のない焼却炉の完成に苦労している。皆様と知恵を出し合って、環境問題の解決に向け共に前進していきたい」などと述べた。
講演では、NPO法人環境会議所東北の須藤典郎専務理事が「PFIの進め方および課題」と題して、プロジェクターを使ってPFI方式による環境施設投資の概要などをわかりやすく説明した。

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